超高級車ディーラー セールスの心得は HRオーウェンのボスに聞く

公開 : 2018.05.13 17:40

幅広いスキル

そうすると大きな疑問が生まれる。チューは有名なジャック・バークレーのショールームをかなりの費用をかけて改装した。86年間にわたりロンドンのランドマークだったところだ。もしセールスセンターが必要ないとすると、なぜそんなことをしたのだろう。「ショールームは世界の窓なんです」とチューは説明する。

「ひとと面会したり、トレンドを理解して倣ったり、そしてもちろん、最新のクルマを展示するための場所です。もしお客様からご希望があれば、クルマをお渡しするのもここで行います。歴史のある場所なので、多くのお客様がそうされます」

45歳になるチューは、オーストラリアで会計を学んだ静かな話しぶりのマレーシア人である。昨年の初めにバークレー広場に来るまで、彼はラグジュアリーカーのビジネスにはほとんど知識がなかったが、新鮮な目で見ればビジネスを新たな方向に進めることができると信じている。

12年前、彼の財務のスキルがマレーシアの億万長者ビンセント・タンの目に留まった。カーディフシティ・フットボールクラブのオーナーといえばお判りだろう。タンは多方面のビジネスを手掛けているベルジャヤ・コーポレーション(彼の会社だ)で、チューに今まで以上に困難な課題を与え続けた。

その後、彼を英国に連れてきてベルジャヤ・ホテル・グループの積極的な運営を担当させた。2014年、チューはカーディフ・シティのジェネラル・マネージャーになり、ほどなくして今の会長兼CEOのポジションに上り詰めた。そして昨年、彼はHRオーウェン・グループのCEO職も引き受けた。誰が見ても、彼の役職とスキルは数多く多岐にわたっている。

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