ソフト志向のエアサス採用の快適プレミアムSUV マセラティ・グレカーレ・モデナV6(2) スポーティなブランドイメージを充分に体現

公開 : 2026.08.04 18:10

マセラティ・グレカーレに新グレード、モデナV6登場。エンジン版ポルシェ・マカン販売終了で、好機到来? 390psのV6ツインターボやソフトなエアサスペンションが特徴のようです。UK編集部が試乗します。

レスポンシブなV6ツインターボと相性の良い8速AT

マセラティグレカーレのスイートスポットと主張される、新しいモデナV6。トロフェオ・グレードと同じく電動化技術は実装されず、最高出力は390psへ落とされているが、0-100km/h加速は4.9秒で不満なし。最高速度は257km/hに届く。

スペック上は、530psのトロフェオとの差が小さくないものの、実際に発進させるとなかなか活発。V6エンジンはレスポンシブに回り、テキパキ変速する8速ATとの相性も良い。ステアリングホイールの裏側には、巨大な金属製シフトパドルも備わる。

マセラティ・グレカーレ・モデナV6(欧州仕様)
マセラティ・グレカーレ・モデナV6(欧州仕様)

ネットゥーノ・ユニットのサウンドは本来心地良いが、車内には人工的に強調された響きも再生される。耳障りの良い音質ながら、トンネルに入っても反響音は大きく聞こえてこない。ノーマル・モード時は特に、人工音のボリュームを抑えても良いだろう。

他方、ローンチコントロールが備わるトロフェオは、0-100km/h加速3.8秒。63.0kg-mの最大トルクが放たれ、ブースト上昇とともにボディを後ろに傾けながらの発進は、まさにロケットダッシュ。フロントタイヤは、トラクションの維持に苦労するほど。

同クラスではソフト側のエアサス

8速ATは、一般的なトルクコンバータ式。デュアルクラッチATのようなキレはなくても、変速は不満ないほど高速。家族で乗るSUVとして、日常的な環境での滑らかさでは勝る。レシオがクロスし、シフトパドルを積極的に弾く楽しみもある。

エアサスペンションは、アダプティブダンパーとエアスプリングの組み合わせ。同クラスではソフト側の設定で、姿勢制御は上下方向の動きがやや目立つ。スポーティなトロフェオでは、若干物足りなさを生む特性ながら、モデナV6なら納得できる印象に変わる。

マセラティ・グレカーレ・モデナV6(欧州仕様)
マセラティ・グレカーレ・モデナV6(欧州仕様)

路面の凹凸は巧妙に均され、高速巡航時の落ち着いた乗り心地は、明らかな美点だろう。他方、ステアリングホイールへ伝わる感触は薄めで、レシオがクイックなこともあり、カーブへ飛び込めばボディロールは小さくない。

ステアリングの反応はダイレクト。低速域では軽すぎるかもしれないが、速度上昇とともに重さが増し、グリップ状態を把握しやすくなる。挙動が過敏ということもない。

長距離の快適性に長けたプレミアムSUV

電子制御LSDが実装されるが、ヘアピンカーブではアンダーステア傾向。舗装の剥がれた穴を通過すると、強めの衝撃が届くこともある。それでも、プレミアムSUVとして、長距離を快適に移動できる能力は高い。

運転支援システムは、アダプティブ・クルーズコントロールがオプション。概ね滑らかに動作していた。制限速度警告の認識能力は、あまり高くない様子。車線維持支援は、必要なければボタン1つでオフにできる。

マセラティ・グレカーレ・モデナV6(欧州仕様)
マセラティ・グレカーレ・モデナV6(欧州仕様)

ちなみに、トロフェオでサーキットも走らせてみた。コルサ・モードを選びスタビリティ・コントロールをオフにすれば、オーバーステアでのテールスライドも難しくない。濡れた路面では、安定してドリフトし続けられる。

タイヤは専用コンパウンドのブリヂストン・ポテンザ。良くグリップし、四輪駆動システムはリア側主体でトルクを分配し、シャープな回頭性を補完している。他方、起伏のある区間では、サスペンションのストロークを使い切る場面も見られた。

記事に関わった人々

  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    役職:ロードテスター
    ベルギー出身。AUTOCARのロードテスターとして、小型車からスーパーカーまであらゆるクルマを運転し、レビューや比較テストを執筆する。いつも巻尺を振り回し、徹底的な調査を行う。クルマの真価を見極め、他人が見逃すような欠点を見つけることも得意だ。自動車業界関連の出版物の編集経験を経て、2021年に AUTOCAR に移籍。これまで運転した中で最高のクルマは、つい最近までトヨタGR86だったが、今はE28世代のBMW M5に惚れている。
  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    役職:副編集長
    AUTOCARの若手の副編集長で、大学卒業後、2018年にAUTOCARの一員となる。ウェブサイトの見出し作成や自動車メーカー経営陣へのインタビュー、新型車の試乗などと同様に、印刷所への入稿に頭を悩ませている。これまで運転した中で最高のクルマは、良心的な価格設定のダチア・ジョガー。ただ、今後の人生で1台しか乗れないとしたら、BMW M3ツーリングを選ぶ。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

マセラティ・グレカーレ・モデナV6の前後関係

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