クルマ漬けの毎日から

2025.10.05

イギリスの新興メーカー、イネオスのピックアップ「グレナディア・クォーターマスター」を運転して、グッドウッド・リバイバルに参加。リバイバルは毎年9月前半にグッドウッドで開催されるクラシックカーのイベントです。

イネオスのピックアップに乗ってグッドウッドへ【クロプリー編集長コラム】

もくじ

取材1日目:イベント初日:イネオスでグッドウッドへ
イベント3日目:再びグッドウッドへ

イベント初日:イネオスでグッドウッドへ

イネオスのピックアップ「グレナディア・クォーターマスター」は、グッドウッド・リバイバル(初日)に向かうクルマとしては、ユニークな選択かもしれない。だが、じつに素晴らしいドライブになった。その理由は、第1に巡航性が高く、第2に快適性が備わっているから。

最近レカロの納入が遅れていたことで、イネオスは大きな影響を受けたようだ。だが、実際にレカロに座って運転していると、このシートの硬さと形状は長距離ドライブの快適性という点で、やはりとても優れていると感じる。

今回試乗したイネオス・グレナディア・クォーターマスター(右)。赤のボディはクロプリー編集長のフォード・レンジャー・ラプター(左端)。どちらもピックアップ。

グレナディアの独特のコントロール系とスイッチ類に慣れるのに、少し時間がかかった(グレナディアを手掛けたのは元建築家でヨットのデザイナーでもあったトビー・エクイエ)。シンプルにキーで始動することにさえ、最初は気がつかなかった。だが、いったん勝手がわかると、グレナディアを大いに楽しむことができた。とくにその確かな耐久性と、非常に高い製造品質は素晴らしい。

意地悪なことに、だれかがこのボディカラーを「補聴器のベージュ」と呼んでいたが、私ならばこの色を第1希望に選ばなかっただろう。だが、グレナディア・クォーターマスターの大部分に好感を持った。

試乗前には、我が家のフォード・レンジャー・ラプターのほうが多くの項目で優れているだろうと予想していた(実際いくつかの点ではそうだった)。だがいまは、ラプターとグレナディア・クォーターマスターは良いライバルだと見ている。

購入者が少ないことが、いまもイネオスの悩みのようだ。潜在顧客がイネオスに気づいてくれることを願いたい。

イベント3日目:再びグッドウッドへ

グッドウッド・リバイバルの最終日(日曜日)、再びイネオス・グレナディア・クォーターマスターに乗って、グッドウッドへ行った。だが、 1つ大きなミスをした。

イギリスの新興メーカー、イネオスのピックアップ「グレナディア・クォーターマスター」

妻と私はイベント会場に早めに到着することを常としているが、今回は行動を変えたため、グッドウッドのサーキットに到着したのは、雨でいくつかの駐車場がすでに閉鎖されたあとだったのだ。こういう状況に向いていないクルマのなかには、ぬかるみにはまって動きがとれなくなっているものもあった。

グレナディア・クォーターマスターにとっては何も問題ではなく、うらやましそうにこちらを見ている人たちがたくさんいた。実際、スタックする心配のないクルマに乗っているとわかっていて、すべるように走るのはとても楽しい。

グッドウッド・リバイバルの「セント・メアリーズ・トロフィー」にエントリーした2台のオースティン・ミニ。ニック・スイフトのミニ(手前)は16位から4位に浮上。

雨が降ったことで、レースはますます熱気を帯びた(いくつかは携帯からストリーミングで観戦)。「セント・メアリーズ・トロフィー」に参戦したニック・スイフトのミニ(上の画像)が、4倍以上パワーのあるライバルたちを次々と追い抜いていったのは、なんとも面白かった。

今年のグッドウッド・リバイバルで一番印象に残ったのは、この場面だった。

記事に関わった人々

  • 執筆

    スティーブ・クロプリー

    Steve Cropley

    役職:編集長
    50年にわたりクルマのテストと執筆に携わり、その半分以上の期間を、1895年創刊の世界最古の自動車専門誌AUTOCARの編集長として過ごしてきた。豪州でジャーナリストとしてのキャリアをスタートさせ、英国に移住してからもさまざまな媒体で活動。自身で創刊した自動車雑誌が出版社の目にとまり、AUTOCARと合流することに。コベントリー大学の客員教授や英国自動車博物館の理事も務める。クルマと自動車業界を愛してやまない。
  • 翻訳

    小島薫

    Kaoru Kojima

    ドイツ自動車メーカーの日本法人に在籍し、オーナーズマニュアルの制作を担当。その後フリーランスで翻訳をはじめる。クルマはハッチバックを10台以上乗り継ぎ、現在はクーペを楽しんでいる。趣味はピアノ。
 
 

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