【4A-GE用エンジン部品を復刻】これからも『ハチロク』に乗り続けてほしい!環境に配慮しつつ当時と同等の性能を実現

公開 : 2025.10.11 12:45

9月13~14日の『頭文字D 30th Anniversary 2days』に、4A-GE用の復刻部品が展示されました。そこにはこれからも『ハチロク』に乗り続けてほしいという想いがあります。高桑秀典のレポートです。

4A-GEエンジン用パーツ2点の復刻を決定

AE86という車両型式から『ハチロク』の名で広く知られているトヨタカローラレビンおよびスプリンタートレノは、1983~1987年まで生産されていた。

40年前にデリバリーされ、軽量かつシンプル装備の後輪駆動スポーツカーだが、しげの秀一氏による大ヒット漫画『頭文字D』の影響やチューニングしやすいという素性のよさもあり、数多くのファンを獲得。レストアに近いような整備技術まで確立され、完調を保ったまま長く乗り続けることが可能となっている。

トヨタ・ガズー・レーシングは『GRヘリテージパーツプロジェクト』としてAE86用の復刻部品を提供。
トヨタ・ガズー・レーシングは『GRヘリテージパーツプロジェクト』としてAE86用の復刻部品を提供。    平井大介

熱心なハチロク・オーナーの長期維持を支えている要素のひとつがリプロダクションパーツで、トヨタ・ガズー・レーシングも『GRヘリテージパーツプロジェクト』としてAE86用の復刻部品を提供。さまざまなパーツが純正品として再販売されており、オンラインでも購入することもできる。そして今回、4A-GEエンジン用部品2点の復刻が決定した。

去る9月13日~14日に富士スピードウェイで開催された『頭文字D 30th Anniversary 2days』において展示され、先行予約がスタートしたのは、これからも長く、よりよい状態の“ハチロク”に乗り続けてほしいという想いでトヨタ・ガズー・レーシングが復刻した『シリンダーヘッドSUB-ASSY』と『シリンダーブロックSUB-ASSY』だ。

最新技術、工法、材料を取り入れて現代化

今回復刻が決定した2点のGRヘリテージパーツは、当時の基本的な設計、スペックはそのままに、最新のシミュレーション技術や工法、材料を取り入れて現代化されている。

シリンダーヘッドSUB-ASSYは、燃焼室への切削加工の追加、吸気ポートの塗型処理、カムキャップのノックピンを全箇所に追加。

会場内のGRヘリテージパーツブースで、発売予定のGRヘリテージパーツ2点の先行予約を受け付けた。
会場内のGRヘリテージパーツブースで、発売予定のGRヘリテージパーツ2点の先行予約を受け付けた。    平井大介

材料の鋳鉄を当時と比べてより高剛性のものとし、シリンダーボアを現代のホーニング加工で処理したシリンダーブロックSUB-ASSYは、クランクキャップの構造を変更。AE86の後継モデルであるAE92のようなFF車にも搭載できるよう、横置き設置用のボスとリブを追加している。

富士スピードウェイでトヨタの担当者にインタビューしたところ、このように話してくれた。

「入社以来ずっとエンジンの担当で、新開発エンジンを研究する中で2023年に水素エンジンに携わりました。その後、社内で最新の技術を用いて4A-GEエンジン用のパーツでもカーボンニュートラルに向けた取り組みができるのではという話になり、環境に配慮しつつ当時と同等の性能を実現した今回の復刻につながりました」

ヘッドは、AE86オリジナル、AE92後期用、AE101用5バルブという3つの選択肢があったが、AE92後期用をベースとし、さまざまなイベント会場でヒアリングしたユーザーからの要望をもとに吸排気ポートの一部肉厚化を実践しているそうだ。

トヨタだからこそできる展開に以前から感動していたが、今回の復刻を受けて、さらに深い感銘を受けた。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    高桑秀典

    Hidenori Takakuwa

    1971年生まれ。デジタルカメラの性能が著しく向上したことにより、自ら写真まで撮影するようになったが、本業はフリーランスのライター兼エディター。ミニチュアカーと旧車に深い愛情を注いでおり、1974年式アルファ・ロメオGT1600ジュニアを1998年から愛用中(ボディカラーは水色)。2児の父。往年の日産車も大好きなので、長男の名は「国光」。
  • 撮影 / 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

『頭文字D』30周年公式イベント開催!の前後関係

前後関係をもっとみる

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事