メルセデス・ベンツが開発した型破りなクルマ 30選(後編) 革新に垣間見える「狂気」
公開 : 2025.10.11 11:25
メルセデス・ベンツはこれまで多くの名車を生み出してきましたが、世間を驚かせたクルマもいくつかあります。革新的すぎる設計、固定概念を覆すコンセプト、やや特殊すぎた意欲作など、型破りな30台を紹介します。
もくじ
ーC 111(1969年)
ーゲレンデヴァーゲン(1979年)
ー190E(1982年)
ーC 36 AMG(1993年)
ーSLKクラス(1996年)
ーVクラス(1996年)
ーAクラス(1997年)
ーMクラス(1997年)
ーヴァネオ(2001年)
ーマイバッハ(2002年)
ーSLRマクラーレン(2003年)
ーRクラス(2005年)
ーA 45 AMG(2013年)
ーG 63 AMG 6x6(2013年)
ーメルセデス・マイバッハSクラス(2021年)
C 111(1969年)
自動車メーカーにありがちな話だが、メルセデスが開発した最も注目すべきクルマの1つであるC 111は、一般向けには販売されていない。実験用としてさまざまなプロトタイプが製作され、300 SLと同様にガルウィングドアを備えていたが、エンジンはミドシップに搭載されていた。
多くのC 111にロータリーエンジンが搭載されたが、メルセデスは今日に至るまで同種のエンジンを量産化したことはない。後期のプロトタイプにはV8ガソリンエンジン、あるいは3.0Lディーゼルエンジンが搭載された例もある。

ゲレンデヴァーゲン(1979年)
『ゲレンデヴァーゲン』はドイツ語でオフロード車を意味するが、その名の通りオフロード走行重視で開発された。一般道での走行も想定されていたが、必ずしも快適とは言えない。ゲレンデヴァーゲンは後に、Gクラスと改名されることになる。
メルセデス自身が言うように、このゲレンデヴァーゲンは「まったく新しいジャンルを切り開いた」と言えるだろう。さまざまなバリエーションが展開され、1992年まで生産が続けられた。現在でもGクラスは販売されており、2024年4月には完全電動モデルが発表された。

190E(1982年)
W201シリーズは初代Cクラスに直前に位置する中型モデル群である。中でも最も注目されたのが190Eで、特にコスワースが開発した16バルブシリンダーヘッドの2.3L(後に2.5L)エンジンを搭載したモデルが際立っていた。
BMW M3にほぼ相当する存在であり、優れた高性能ロードカーだった。競技用に改造されたバージョンは圧倒的な性能を発揮した。しかし、190Eで最も有名なのは、1984年にホッケンハイムで行われた特別レースで、F1にデビューしたばかりのアイトン・セナ(1960-1994)が、経験豊富なライバルたちを打ち負かした1台である。

C 36 AMG(1993年)
AMGはもともとメルセデス車用のパーツ専門チューニング会社だったが、数年かけてメルセデスに吸収されていった。初の市販車共同開発モデルがC 36 AMGで、3.6L直列6気筒エンジンを搭載していた。
最高出力は約280psと、後のAMGモデルよりはるかに非力だったが、見事なバランスを誇り、公道でもサーキットでも運転する喜びを与えてくれた。

SLKクラス(1996年)
初代SLKにはさまざまな4気筒エンジン(一部はスーパーチャージャー)や3.2L V6が搭載された。メルセデスとしては異色の存在だったが、人気を博したため、2004年に2代目へとフルモデルチェンジすることになった。
その際、ダイムラーとクライスラーの合併を受け、初代SLKはクライスラー・クロスファイアとして生まれ変わった。一方が廃止したモデルを、提携先の他方が引き継ぐという経緯もまた、物議を醸した。


































