電動だって小さいのは面白い 4 E-テック エースマン プーマ・ジェン-E(1) お手頃EV 3台比較

公開 : 2025.10.10 19:05

お手頃なEVが揃い始めた英国市場 独自性の高い特徴を得た4 E-テック 称賛すべき操縦性を叶えたプーマ・ジェン-E 速めの走りで真価を引き出せるエースマン UK編集部が小柄な3台を比較

独自性の高い特徴を得た4 E-テック

自動車業界は、空前の転換期にある。苦境に置かれる老舗ブランドが存在し、中国メーカーの台頭は激しい。そんな混乱へ揉まれるように、英国政府は散発的に補助金を支給している。比較的安価なバッテリーEVへ。

EVの選択肢が増える中で、3万ポンド(約594万円)も用意すれば、魅力的なコンパクト・クロスオーバーを検討できるようになってきた。AUTOCARとして注目したい、運転を楽しめるモデルも登場してきた。

ライトブルーのルノー4 E-テック・アイコニックと、ダーク・グリーンのミニ・ジョン・クーパー・ワークス(JCW)・エースマン、ブルーのフォード・プーマ・ジェン-E プレミアム
ライトブルーのルノー4 E-テック・アイコニックと、ダーク・グリーンのミニ・ジョン・クーパー・ワークス(JCW)・エースマン、ブルーのフォード・プーマ・ジェン-E プレミアム    ジャック・ハリソン(Jack Harrison)

今回の比較試乗を思いついたきっかけは、ルノー4 E-テック。ハッチバックの5 E-テックの技術を継承しつつ、より柔軟なパッケージングを備え、独自性の高い特徴を獲得しているから。レトロフューチャーなスタイリングは、見るほどに愛着が湧いてくる。

街なかを走っていると、少なくない視線を感じる。充電ステーションへ立ち寄れば、一際目立つ存在だとわかる。

補助金抜きでもお手頃なミニ・エースマン

4 E-テックは、今のところ英国では1500ポンド(約30万円)の補助金対象で、お値段は2万5495ポンド(約504万円)から。試乗車も3万ポンド(約594万円)は切る。駆動用バッテリーは52kWhあり、モーターは150psで、航続距離397kmがうたわれる。

フォード・プーマ・ジェン-Eも、好適な1択だ。こちらは3000ポンド(約59万円)の補助金が支給され、試乗車の価格は2万8245ポンド(約559万円)。駆動用バッテリーは43kWhと小さいが、モーターは168psあり、363kmの航続距離を持つ。

ライトブルーのルノー4 E-テック・アイコニックと、ダーク・グリーンのミニ・ジョン・クーパー・ワークス(JCW)・エースマン、ブルーのフォード・プーマ・ジェン-E プレミアム
ライトブルーのルノー4 E-テック・アイコニックと、ダーク・グリーンのミニ・ジョン・クーパー・ワークス(JCW)・エースマン、ブルーのフォード・プーマ・ジェン-E プレミアム    ジャック・ハリソン(Jack Harrison)

補助金抜きでも2万8905ポンド(約572万円)からに設定される、ミニ・エースマン Eも有力だろう。ところが広報担当者が用意してくれたのは、遥かに高額で258psのジョン・クーパー・ワークスだった。ベーシックな仕様を想定していたのだが。

操作性の良い車内 シームレスな加速

乗り比べる丘陵地帯を目指す4時間を、4 E-テックはサラリと走りきった。急速充電は最大100kWへ対応し、充電休憩も手短に済ませられた。タッチモニター上で動くグーグルマップが、充電ステーションを加味したルートを設定してくれる。

背が高いボディで乗り降りしやすく、車載機能の操作もしやすい。エアコンには、実際に動くトグルスイッチが用意されている。タッチモニターのメニュー・レイアウトも、整然としていて扱いやすい。気になったのは、作りが甘いシフトレバーくらい。

ライトブルーのルノー4 E-テック・アイコニックと、ダーク・グリーンのミニ・ジョン・クーパー・ワークス(JCW)・エースマン
ライトブルーのルノー4 E-テック・アイコニックと、ダーク・グリーンのミニ・ジョン・クーパー・ワークス(JCW)・エースマン    ジャック・ハリソン(Jack Harrison)

助手席側にある「Renault 4」のロゴは、モード次第でカラーが変わる。アンビエントライトの点灯色を、任意に調整することもできる。

加速はシームレス。滑らかすぎて、淡白に思えるほど。パワーは控えめだが、優しい見た目の印象と調和する。立ち上がりは鋭く、市街地を小気味よく走ることもできる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    スティーブン・ドビー

    Stephen Dobie

    英国編集部ライター
  • 撮影

    ジャック・ハリソン

    JACK HARRISON

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

4 E-テック エースマン プーマ・ジェン-Eの前後関係

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