最高のエンジンを持つクルマたち 前編

公開 : 2018.06.30 08:10

アルファ・ロメオGTV V6

生産:1995〜2004年 価格:2300〜1万1000ポンド(33〜158万円)

ミドシップのフェラーリアウディR8のように透明カバーの下でうやうやしく飾られるなら、エンジンの見た目もだいじなことはわかる。

だが、こちらのエンジン―クロームメッキの輝きをはなちつつ60°バンクの谷間にむかって美しい曲線をえがく6本の吸気管、何本もの細いうねをあしらったヘッドカバーには流れるようなアルファ・ロメオの手書きふうロゴ―そう、GTVのV型6気筒だって、耳だけでなく目で鑑賞してもじつにすばらしいのだ。

アルファ・ロメオの「ブッソ」V6は、147や156のGTAといった高性能版をはじめとして1979年から2005年にかけてのおおくのモデルに積まれた。だがその美しさにもっとも見あうのは、ピニンファリーナによるすばらしくスタイリッシュなデザインのボディをまとったGTVをおいてほかにはなかろう。

上記したようにジュゼッペ・ブッソの原作になるこのエンジンは、26年という長い生涯のあいだに2.0から3.2ℓまで拡大された。1990年代後半には動弁系に改変をうけて気筒あたり4バルブとなっている。GTVには192psから240psまで、4種のV6がのせられた。

もっともパワフルな3.2ℓ版はモデル末期にほんの短期間つくられたにすぎず、いまからさがすとなるとかなりの労力が必要になるだろう。3.0ℓのほうがさがしやすいうえ、2300ポンド(33万円)から見つかる。

GTVを買う前に下調べがいるのはもちろんだが、悪名高いアルファ・ロメオ車とはいえ絶望的に壊れるわけではない。4年ごとのタイミングベルト交換歴、点検整備記録がととのっていることは絶対条件。エンジンオイル消費がおおいため、あきらかな油量不足で乗られてしまっているケースもあるので要注意だ。バンパーはプラスティックでボディの鋼板も亜鉛メッキなのでサビはたいした問題にはならないが、にもかかわらずリアのホイールアーチやジャッキアップポイントが腐食してくることがある。さいごに、相場については上がり調子にある。

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