シトロエンe-C3 マックス(1) 新プラットフォームのお手頃クロスオーバー 中国から押し寄せる安価なEVに対抗

公開 : 2026.06.01 18:05

中国製EVへ対抗する112psの小さなクロスオーバー、シトロエンe-C3。余裕ある車内空間や穏やかな乗り心地も特徴ですが、お手頃な価格とシンプルな運転体験が最大の強みです。UK編集部が試乗します。

安価な中国製EVに対するソリューション

中国から次々に押し寄せる安価なバッテリーEVを、欧州の自動車メーカーは脅威だとみなしている。2024年には新たな輸入関税の導入が決定した一方、ゆっくりだが、対抗できるモデル開発も進められている。

ステランティス・グループが開発した、スマートカー・プラットフォームは、そのソリューションの1つ。電気モーターにも内燃エンジンにも対応する汎用性が、強みの1つ。それを基礎骨格とするシトロエンe-C3は、お手頃な価格での提供を実現した。

シトロエンe-C3 マックス(英国仕様)
シトロエンe-C3 マックス(英国仕様)

グループ傘下のフィアットは、同じ技術を利用しグランデ・パンダを投入。オペルは、その兄弟といえるフロンテラを発売している。それでも、大胆なデザインをクルマづくりの理念の1つに掲げるシトロエンだから、C3はしっかり特徴的な仕上がりにある。

最高出力112psの小さなクロスオーバー

フロントマスクの印象は力強い一方で、全長は4015mmとコンパクト。全高は1577mmと高めで、空力に配慮されたルーフレールが標準装備され、クロスオーバーらしい雰囲気もまとう。ツートーン塗装が、スタイリッシュな印象を強める。

試乗したEV版のe-C3の場合、フロントに最高出力112psと最大トルク12.6kg-mの駆動用モーターを搭載。駆動用バッテリーは2種類あり、廉価なアーバンレンジは30.0kWhだが、それ以上のグレードでは43.7kWhへ容量が増える。

シトロエンe-C3 マックス(英国仕様)
シトロエンe-C3 マックス(英国仕様)

1度の充電で走れる距離は、前者が209kmで後者は320km。持久力に長けるとはいい難いものの、価格が高めのミニやルノーの競合モデルは、実はこれより航続距離は短い。

高めの全高で余裕ある車内空間

フロアに駆動用バッテリーが敷かれるが、高めの全高が貢献し、車内空間にはゆとりがある。特に、高さ方向で1010mmある前席側は、頭上に広大な余地が残る。シートはクッションが柔らかく、調整域も広く、長時間でも疲れにくい。

運転姿勢は、プジョーのi-コクピットへ近いもの。ステアリングホイールは小径で、低い位置に伸び、メーターパネルが高い位置にある。このパネルは、ダッシュボード上部に埋め込まれたディスプレイの表示が投影される、巧妙な仕組みにある。

シトロエンe-C3 マックス(英国仕様)
シトロエンe-C3 マックス(英国仕様)

後席側も、前後長は660mmあり、身長が高めの大人でもゆったり座れるはず。座面は低めでフラットで、太ももの裏が浮くという人はいそうだが。

2段に分かれたダッシュボード上のトレイなど、小物入れは充実。荷室容量は310Lで、同クラスの中では狭めといえる。ルーフレールには、最大75kgの荷物を載せられる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 執筆

    マーク・ティショー

    Mark Tisshaw

    役職:編集者
    自動車業界で10年以上の経験を持つ。欧州COTYの審査員でもある。AUTOCARでは2009年以来、さまざまな役職を歴任。2017年より現職の編集者を務め、印刷版、オンライン版、SNS、動画、ポッドキャストなど、全コンテンツを統括している。業界の経営幹部たちには定期的にインタビューを行い、彼らのストーリーを伝えるとともに、その責任を問うている。これまで運転した中で最高のクルマは、フェラーリ488ピスタ。また、フォルクスワーゲン・ゴルフGTIにも愛着がある。
  • 執筆

    ジャック・ウォリック

    Jack Warrick

    役職:常勤ライター
    クルマだけでなく、英国のローカルニュースとスポーツ報道にも精通し、これまで出版物、ラジオ、テレビなど、さまざまなコンテンツ制作に携わってきた。フォルクスワーゲン・グループの小売業者向けニュースウェブサイトの編集者を務めた後、2021年にAUTOCARに移籍。現在はその幅広い経験と知識を活かし、主にニュース執筆やSNSの運営を担当している。これまで運転した中で最高のクルマは、トヨタGRヤリス。一番のお気に入りだ。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

シトロエンe-C3 マックスの前後関係

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