『グッチ・レーシング・アルピーヌ』誕生 元ルノーCEO、古巣とタッグを組み2027年からF1参戦 チームのタイトルスポンサーへ

公開 : 2026.06.02 07:25

イタリアの高級ファッションブランドであるグッチが、2027年シーズンのアルピーヌF1チームのタイトルスポンサーに決定しました。元ルノーCEOのルカ・デ・メオ氏がこの提携の鍵を握っているとみられます。

ルカ・デ・メオ氏が契約のきっかけに?

ルノー・グループの元CEO、ルカ・デ・メオ氏が率いる高級ファッションブランド『グッチ』が、来シーズンからアルピーヌF1チームのタイトルスポンサーを務めることになった。

これまでのBWTに代わってグッチがタイトルスポンサーを引き継ぎ、2027年以降は『グッチ・レーシング・アルピーヌ・フォーミュラ・ワン・チーム(Gucci Racing Alpine Formula One Team)』として活動することになる。

グッチ・レーシング・アルピーヌF1チーム
グッチ・レーシング・アルピーヌF1チーム

チームのカラーリングも、近年使用してきたフレンチレーシングブルーとピンクの組み合わせから一新、グッチのブランドカラーを採用する。

昨年ルノー・グループのCEOを退任し、グッチをはじめとする数多くの高級ブランドを擁するケリング・グループのトップに就任したデ・メオ氏が、この契約成立の鍵を握っていたとみられる。

ルノー在任中、デ・メオ氏は同社のF1参戦を最も強く推進し、チーム名をルノーから高性能車ブランドであるアルピーヌへ変更する原動力となった。

今回の契約で特に注目すべきは、ルノーがF1チームを継続するという姿勢を示している点だ。ルノーは昨年末に自社エンジン開発を中止し、メルセデスAMG製エンジンへの切り替えを決めた。

契約の一環として、グッチは「ビジネスおよび体験型プラットフォーム」と称する新たな『グッチ・レーシング』ブランドを立ち上げる。

ファッションブランドがF1参戦

デ・メオ氏によると、グッチはF1を「高級ブランドが限界を押し広げ、有意義なつながりを生み出し、長期的な価値とブランドの魅力を構築するための独自のプラットフォーム」と捉えているという。

友人であるデ・メオ氏によってアルピーヌF1チームのエグゼクティブ・アドバイザーに招かれたフラビオ・ブリアトーレ氏は、このパートナーシップがもたらす「可能性に胸を躍らせている」と語った。

アルピーヌF1の2025年型マシン『A525』。タイトルスポンサーはBWT
アルピーヌF1の2025年型マシン『A525』。タイトルスポンサーはBWT    アルピーヌ

「エンストン(拠点を置く英国の地名)のチームは、他とは異なるやり方で物事を進める歴史があり、過去にファッションがF1で優勝できることを示してきました」とブリアトーレ氏は語った。

この発言は、イタリアのファッションブランドであるベネトンから資金提供を受けていた時期に、アルピーヌが大きな成功を収めたことに言及したものだ。

エンストンを拠点とする同チームは、1981年にトールマンとして発足したが、1985年にベネトン(かつてティレルやアルファ・ロメオのF1チームのスポンサーだった)に買収された。ベネトン傘下でブリアトーレ氏の指揮の下、チームは27勝を挙げ、ミハエル・シューマッハは1994年と1995年にドライバーズタイトルを2年連続で獲得した。その後、ベネトンは2001年シーズンに向けてチームをエンジンサプライヤーのルノーに売却した。

それ以来、チームは度重なるブランド変更と所有権の移り変わりを経験してきた。2001年からルノーとして活動し、2012年にロータスF1チームとなり、2016年にルノーがチームを買い戻した。その後、2021年にアルピーヌへとブランド名を変更した。

チームは本稿執筆時点で、2026年のコンストラクターズ選手権で5位につけている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    役職:雑誌副編集長
    英国で毎週発行される印刷版の副編集長。自動車業界およびモータースポーツのジャーナリストとして20年以上の経験を持つ。2024年9月より現職に就き、業界の大物たちへのインタビューを定期的に行う一方、AUTOCARの特集記事や新セクションの指揮を執っている。特にモータースポーツに造詣が深く、クラブラリーからトップレベルの国際イベントまで、ありとあらゆるレースをカバーする。これまで運転した中で最高のクルマは、人生初の愛車でもあるプジョー206 1.4 GL。最近ではポルシェ・タイカンが印象に残った。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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