フェラーリ288GTOが、値上がりしている 新記録で落札 RMサザビーズ・オークション

公開 : 2019.01.28 07:10  更新 : 2020.12.08 18:08

フェラーリ288GTOが、オークションで最高記録。グループB用として開発され、実戦に出ることなくコレクターズ・アイテムに。ピーク時は3億円を超えましたが、今回は?

text : Kazuhide Ueno(上野和秀) photo: RM Sotheby’s/Drew Shipley

ピーク時、3億2175万円 その後は?

以前のグループ4に相当する車両クラスがグループBで、一般的にはラリー・マシンのイメージが強いが、サーキットでのレースも予定されていた。フェラーリはすぐさまグループB規定に対応した288GTOを製作し、GTカテゴリーで闘う予定だった。しかし他のメーカーの参加がなくレースは開かれることはなかった。

こうして製作された288GTOだが、結局レースに出ることはなかったが、GTOという栄光のモデル名と生産台数272台という希少性から、コレクターのガレージに収まることになってしまう。当時から特別な存在として常に注目を集め、後に登場する派手なF40に対して玄人好みのモデルと言えた。

その昔から高値を付けていた288GTOは、21世紀になると1億円前半で推移していたが、2014年からのコレクターズカー・バブルが始まると急上昇し、同年1月のRMサザビーズ・アリゾナ・オークションでは3億2175万円という新記録を打ち立てる。余談だがこの最高値を付けた288GTOは、かつて御殿場にあったフェラーリ美術館が所有していたもので、低走行とコンディションの良さが評価されたもの。

しかしバブルは続かず、翌年8月のボナムス・クエイルロッジ・オークションでは3億円に届かない2億9445万円で終えてしまう。2016年1月のRMサザビーズ・アリゾナ・オークションで、かつて御殿場のフェラーリ美術館が所有していた288GTOが再びオークションに出品されたが、前回を下回る2億9469万円が限界だった。

元気がよかったのはここまでで、2016年5月のボナムス・モナコでは2億2350万円、8月のボナムス・クエイルロッジでは2億1120万円まで落ちてしまった。なお2017年9月にフェラーリ70周年を記念して行われたRMサザビース・レジェンダ・パッシオーネ・オークションに288dGTOが出品され4億2419万円で落札されているが、こちらは19台のみが製作されたというライトウェイト仕様のため、別格といえる存在だけに例外としてカウントしている。

しかし、今年初めのオークションではこれまでと異なる結果になった。

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