今、日産はどうなっているのか 『通期見通し6500億円赤字』を読み解く 経営再編は軌道にのった?
公開 : 2026.02.13 07:05
2月12日、日産自動車は横浜の日産グローバル本社で2025年度第3四半期の決算を報告。通期6500億円マイナスの見通しで、2年連続で巨額赤字なりそうです。会見に参加した桃田健史がレポートします。
2025年度第3四半期の決算を報告
『日産2年連続巨額赤字の見通し』。2月12日午後5時、横浜の日産グローバル本社で行われた2025年度第3四半期の決算報告を受けて、経済メディアを中心に、一斉に報道された。
こうしたニュースを見ると、日産ファンだけではなく多くの日本人が『これから日産はどうなるのか?』と日産の将来を危惧するかもしれない。登壇したイヴァン・エスピノーサCEO兼社長と最高財務責任者のジェレミー・パパシ氏は、メディアを通じて何を伝えようとしたのか。

まずは、過去数年間の日産の経営動向を振り返る。
カルロス・ゴーン社長体制をベースとする旧態依然とした企業体質からのV字回復を狙い、内田誠社長体制では経営再建計画『Re:Nissan』を掲げた。
その一環で本田技研工業(以下、ホンダ)との経営統合という大手術の準備を進めたものの、最終合意には至らず。
2025年4月からイヴァン・エスピノーサ社長体制となり、日産のマザー工場である神奈川県追浜工場の終業や横浜本社の売却を決断するなど大ナタを振るってきた。
先に発表した2025年度上期決算(2026年4月〜9月)では、2219億円の赤字となった。通期見通しについては、売上高11兆7000億円、営業利益2750億円の赤字としていた。
これに対して、今回発表した通期見通しは売上高が2000億円改善して11兆9000億円、営業利益も2150億円の改善で600億円の赤字とした。
その上で、当期純利益は6500億円の赤字だが、その大部分は現金支出を伴わないノンキャッシュ項目という説明だ。
エルグランドなど、各種新車にも期待
当期純利益は前期である、2024年度決算でも6708億円の赤字であったことから、今回明らかになった今の期の通期見通しは2年連続の巨額赤字ということになる。
こうした状況をどう読み解けばいいのか?

エスピノーサ社長は終始、「今は大規模な事業再編(リストラ)の段階なので、(ある程度)想定内」という見解を示した。
つまり、内田社長体制でのRe:NISSANは序章から中盤であり、エスピノーサ社長体制ではRe:Nissanの最終章として多額のリストラコストを計上することは必須ということだろう。
固定費の削減としては、アルゼンチン工場、インド工場、追浜工場、日産車体藤沢工場など、10ヵ月で7つの生産拠点の再編やグローバル人材体制の最適化だ。ただし、追浜工場の跡地利用の進捗については今回も明らかにされなかった。
また、巨額赤字の最大の要因はいわゆるトランプ関税である。通期の営業利益損益分布では対前年2750億円にも及び、為替要因の350億円に比べて8倍近い影響が及ぶ予想だ。
一方、商品計画では国内で『リーフ』(受注約5000台)や『ルークス』(累計販売4万台)が好調。今後の期待は『エルグランド』だ。海外では、中国開発の『フロンティアPHEV』や三菱と協業する『ナバラ』など市場導入モデルを拡充する。
果たして、日産はV字回復を成し遂げるのか。勝負は来年4月以降、2027年度(会計年度:2026年3月期)となる。















