ボルボ、ステーションワゴン復活の可能性? 新開発EV専用プラットフォーム『SPA3』で低い車高実現

公開 : 2026.02.13 07:25

ボルボのステーションワゴンが復活する可能性が出てきました。新開発のEV専用プラットフォーム『SPA3』により、バッテリー配置の影響を受けにくい「低車高」のモデルが実現可能になったとされています。

車高の低いEVモデルも実現可能に

ボルボは、『S60』や『V90』といったセダンやステーションワゴンに再び力を入れる可能性がある。新たに導入したEV用プラットフォーム『SPA3』は、従来よりも車高を低く抑えることができるためだ。

同社が現在展開するEVのうち5車種はSUVタイプだ。セダンタイプの『ES90』も、平均的なクロスオーバー車並みの高い車高を持つ。

将来的にボルボV60のEV版も登場するかも知れない。
将来的にボルボV60のEV版も登場するかも知れない。

以前の計画では、人気のあるSUVに注力するため、セダンやステーションワゴンをラインナップに残す余地はほとんどないとされていた。

しかし、新型『EX60』で初採用されたSPA3プラットフォームは、車両設計の柔軟性を重視して開発されている。これによりEVの車高を低く設定することが可能となり、将来の需要変化にも対応できる。

重要なのは、バッテリー容量で車高を左右されないように設計されている点だ。

ボルボの最高技術責任者アンダース・ベル氏はSPA3について、ES90の『SPA2』プラットフォームのように内燃機関用プラットフォームを流用したものではなく、EV専用に設計されたため、さまざまなデザインに合わせて部品や構造を自由にレイアウトできると説明した。

「エンジニアリングにおけるわたしの役割は、選択肢を用意することです。車体を高くすることも、低くすることも可能です。重要なのはスケーラビリティであり、内燃機関、排気管、燃料タンクなどを設計から排除し、プラットフォームの骨格構造を見直すことでこれを実現しています」

柔軟性の高い新プラットフォーム

ベル氏によれば、EVが全体的に大型化している理由の1つは、既存の内燃機関プラットフォームにおけるパッケージングの制約だという。バッテリー容量を増やすには、バッテリーパックを横方向に拡張せざるを得ない。しかし、SPA3ではこの点を改善し、従来型の内燃機関車に近いサイズを実現できるという。

SPA3は、フロントのクラッシャブルゾーンがエンジンを収容する形状になっていないため、バッテリーセルをフロアパン全体やスカットル前方に分散配置することができる。これにより、バッテリーをホイールベース内に限定する必要がなくなるのだ。

SPA3を採用した新型EX60の構造
SPA3を採用した新型EX60の構造    ボルボ

SPA3ではバッテリーとフロントクラッシャブルゾーンの接合点を前方に移動させている。これにより「最低でも7kWh、おそらくそれ以上の容量を前方に配置しつつ、ボルボの衝突安全性能を実現できる」とベル氏は述べている。

セルをスカットル前方に配置することで、「フットガレージ」と呼ばれるスペースが生まれる。これはポルシェタイカンアウディeトロン GTのような低車高モデルで採用されている手法だ。後部座席の位置は内燃機関車と実質的に同等となり、結果として窓枠とルーフラインの高さを維持できる。

「低いクルマでは、後席の足元スペースからバッテリーセルを減らすといいでしょう。なぜなら、クルマの低さを決めるのは実は後部座席だからです」

ES90の背が高い理由は、SPA2プラットフォームをベースとしているためだ。すべての座席と足元スペースをバッテリーの上に配置する必要があり、結果として車高が約200mm高くなる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    役職:副編集長
    AUTOCARの若手の副編集長で、大学卒業後、2018年にAUTOCARの一員となる。ウェブサイトの見出し作成や自動車メーカー経営陣へのインタビュー、新型車の試乗などと同様に、印刷所への入稿に頭を悩ませている。これまで運転した中で最高のクルマは、良心的な価格設定のダチア・ジョガー。ただ、今後の人生で1台しか乗れないとしたら、BMW M3ツーリングを選ぶ。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事