フィエスタSTでいくフォードゆかりの地 コルティナ

公開 : 2019.05.22 17:10

まさに死の壁 致命的な事故も

今は滑らかなコンクリートのレーンが綺麗な状態で残っているため、レッツァドーレ氏とコースを歩いて回ることができた。3000回以上滑り抜けたこのコースについて語ってくれた。

コースを滑るボブスレーのスピードは128km/h、「クリスタッロ・ヘアピン」での遠心力は4Gに達する、という。「以前はもっと身長が高かったのですよ」フォード・コルティナが80km/h以上出した、という話には懐疑的だが、なんにせよとても危険なチャレンジだったことは確かだ。

大きなバンク角のコーナーは身長の2倍に達するような巨大なものだが、安全のためのバリアは設けられていない。まさしく死の壁を走っているようなものだ。いくつもの致命的な事故があり、1981年に起きた「007 ユア・アイズ・オンリー」撮影中の事故もそのひとつだ。

松の葉が散らばった低速コーナーを抜け、薄い氷が張って曲がりくねった「ラビリンス」を歩いて登った。振り返って下を見れば、未改造で60年代のコンパウンドタイヤを履いたファミリーサルーンでは、ドライバーが誰だろうと走破できるとは到底思えなかった。現代のマシンならばまだしも。

橋の下にはストレートが配置され、スタート地点のスペースが広がっていた。グループ写真が撮影された場所で、クラークはここで出走前にレースについて話をしていた。

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