クルマ漬けの毎日から

2025.09.01

2023年7月に生産終了となり、47年の歴史に幕を閉じたフォードの小型車「フィエスタ」。EVとして、復活の兆しが見えてきました。

フォード・フィエスタ、復活の兆し!【クロプリー編集長コラム】

もくじ

フォード EVの新プラットフォーム
復活予測 現在どの段階?

フォード EVの新プラットフォーム

同僚のマーク・ティショーと私は電話で話していた。話題となっていたのはむろん自動車業界のことで、とくに最近明らかになってきた、フォードのある計画に関する断片的な情報についてだった。

フォードはヨーロッパにおけるより良い大きな未来に向けて、この計画を推し進めようとしている。

フォード・フィエスタST

ニュースの断片がジグソーパズルのピースのように現れるのは、じつに面白い。数週間前、われわれAUTOCARはフォードのビル・フォード会長から直接、「フォードはイギリスを含めたヨーロッパで販売を改善しなければならず、また現在そうしようと取り組んでいる」という話を聞いた。

ビル・フォード会長はさらに、現在フォードが計画していることをAUTOCARは好意的に受け止めるだろうとも語った。だが、その詳細については何も話さなかった。

その後、フォードのジム・ファーリーCEOもヨーロッパを訪れ、ヨーロッパ市場の重要なプロダクトプランを策定していると聞いた。

そして今度は、フォードがより小型でシンプルなEVプラットフォームを導入するというニュースを聞いたのだ。この新プラットフォームは、最終的に少なくとも7モデルのベースとなる見込みだ。

復活予測 現在どの段階?

かつてフォードは、手頃な価格の大衆車を世界的規模で販売して成功することで、世界有数の自動車会社になった。今回のニュースは、フォードがこの伝統を完全に忘れていたわけではないことを示す、大きな安心材料となる。

またここヨーロッパにおいて、フォードがかつてのように大型車のマーケットへも活動範囲を広げる可能性もあるのだろうかと、期待も膨らむ。

フォード・フィエスタST

あれほど早い時点でフィエスタの製造を終了したことは大きな間違いだった、と見ているフォード内部の人たちは少なくない。

また、フィエスタを愛する数百万人のオーナーの意見も忘れてはならない。こうした点を考え合わせると、フィエスタの主力モデル復帰に向けて「いま舞台は整った」とAUTOCARは見ている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    スティーブ・クロプリー

    Steve Cropley

    役職:編集長
    50年にわたりクルマのテストと執筆に携わり、その半分以上の期間を、1895年創刊の世界最古の自動車専門誌AUTOCARの編集長として過ごしてきた。豪州でジャーナリストとしてのキャリアをスタートさせ、英国に移住してからもさまざまな媒体で活動。自身で創刊した自動車雑誌が出版社の目にとまり、AUTOCARと合流することに。コベントリー大学の客員教授や英国自動車博物館の理事も務める。クルマと自動車業界を愛してやまない。
  • 翻訳

    小島薫

    Kaoru Kojima

    ドイツ自動車メーカーの日本法人に在籍し、オーナーズマニュアルの制作を担当。その後フリーランスで翻訳をはじめる。クルマはハッチバックを10台以上乗り継ぎ、現在はクーペを楽しんでいる。趣味はピアノ。

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