スーパーカーを追い回せた身軽さ プジョー205 GTI(2)【UK中古車ガイド】 錆びがちで変形しやすいボディシェル

公開 : 2026.04.25 17:50

峠道で輝く、最も運転の楽しいホットハッチの1台が、プジョー205 GTI。エンジンは高耐久ですが、錆びがちで変形しやすいボディシェルや、電装系の不調にはご用心。UK編集部が魅力を再確認します。

ボディシェルは錆びがちで変形しやすい

熱狂的なファンが少なくない、プジョー205 GTI。端正なスタイリングは、イタリアのカロッツェリア、ピニンファリーナ社の協力を得つつ、社内デザイナーのジェラール・ウェルター氏がまとめている。

しなやかなサスペンションでタイヤは巧みに路面を掴み、車重は軽くエンジンはパワフル。峠道で強く輝く、史上最も楽しいホットハッチの1台だといっていい。中古部品は枯渇状態にあるが、メーカー側のサポート体制は悪くなく、近年は価格が高騰している。

プジョー205 GTI(1984〜1994年/英国仕様)
プジョー205 GTI(1984〜1994年/英国仕様)    ジェームズ・マン(James Mann)

ボディシェルは製造時に亜鉛メッキされていたが、鋼板自体は薄く、錆びがちで変形しやすい。激しい走行を繰り返すとシェルの剛性が低下し、修復は極めて難しい。

電装系の不具合はつきもの。電子点火モジュールの不調で、取材の中断を筆者は過去に経験している。屋外で長期間保管されていた例は、特に調子が狂いがち。解決には、諦めない気持ちと相応の時間が必要になる。

貴重なオリジナル状態が好まれる

エンジン自体は高耐久。冷えた状態や温まった状態で一発始動し、排気ガスが不自然に曇っていないか確かめたい。回転数を変化させ、異音が出ないか聞き耳も立てたい。

試乗で、アクセル操作と関係なく左右にふらつく場合は、フロントのロアアーム劣化が疑われる。旋回時に不安定なら、リアのトレーリングアーム・ブッシュの劣化だろう。ドライブシャフトやデフ、ダンパーから異音がしないかも、実際に走って確かめたい。

プジョー205 GTI(1984〜1994年/英国仕様)
プジョー205 GTI(1984〜1994年/英国仕様)    ジェームズ・マン(James Mann)

ステアリングは重めだが、滑らかに操舵でき、速度上昇とともに軽く転じる。MTから唸り音がする場合は、内部ベアリングの摩耗を疑う。フルード管理が悪いと、招きがち。

205 GTIを得意とするガレージが、英国には複数存在する。整備履歴が残りつつ、改造されていない例は珍しい。トールマン社は、見事なレストモッド・モデルを提供しているが、一般的にはオリジナル状態の方が好まれるようだ。

購入時に気をつけたいポイント

ボディ

ヘッドライト周辺やホイールアーチの内外、ルーフのエッジ、サイドシル、フロア、ドアの底面、リアシートの下部、荷室のフロア、フロント/リアガラスやリアハッチ周辺などは錆びやすい。バンパーのマウント部分も、確かめにくいが錆びがち。

ボディパネルの隙間が均一かどうか、事故の修理状態やシェルの歪みを確かめたい。強い負荷がかかると、リアのサイドウインドウが割れることがある。

エンジン

プジョー205 GTI(1984〜1994年/英国仕様)
プジョー205 GTI(1984〜1994年/英国仕様)    ジェームズ・マン(James Mann)

1.6Lエンジンは、同時期のターボユニットよりパワーバンドが広い。ロングストロークの1.9Lエンジンは、粘り強く回る。整備が適切なら、20万km程はオーバーホール不要だが、タイミングベルトは7万5000km前後か4年毎で要交換。

オイルフィラーキャップやラジエーターキャップを開いて、オイルやクーラントが乳化していないか確かめたい。エンジンオイルが過度に燃えると、排気ガスは青白く濁る。タイミングベルトの交換履歴や、冷却ファンが必要に応じて回るかも確かめたい。

トランスミッション

5速MTの変速は滑らか。動きが渋い場合は、ベース部分のボールジョイント交換で改善することがある。クラッチやシンクロの摩耗がないかも、チェックポイント。

サスペンションとブレーキ

走行時に異音が出ないか、コーナリング時に不自然な挙動がないか確かめたい。トレーリングアーム・ベアリングの交換は、高額になりがち。

1.9L仕様のハンドブレーキは新車でも効きが弱かったが、ブレーキの制動力は、調子が良ければ不足なし。ディスクのサビや減り具合も確かめたい部分。

電気系統とインテリア

すべての機能が正常に動くか確かめたい。内装は、経年劣化で緩みがち。運転席のシートは摩耗しやすい。初期型に、後期用のダッシュボードが組まれている例もある。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マルコム・マッケイ

    Malcolm Mckay

    英国編集部ライター
  • 撮影

    ジェームズ・マン

    James Mann

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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