米軍Yナンバー車「近づくな」は正しいのか 事故、足りない分は防衛省が払う?

公開 : 2019.06.10 12:03  更新 : 2021.05.07 18:52

特有の「任意保険逃れ」のからくり

横浜市内で損害保険代理店を営む西信勝さん(株式会社KTN綜合保険サービス代表取締役)はこうコメントする。

「簡単に言うと、クルマの購入時に任意保険を契約して、保険会社から任意保険証書を受け取るなど手続きが終わって1〜2カ月以内に任意保険を解約して保険料の払い戻しを受ける、ということです」

「米軍基地の入場ゲートをクルマで通過する際には、すべてのクルマが免許証の確認から乗員全員のシートベルト着用(チャイルドシート含む)に至るまで様々なチェックを受けます」

「自動車に関しても
・車検証
・自賠責(自動車損害賠償責任保険)
・任意保険の証書(原本)
の提出が必要で、コピーされた書類では基地への入場が許可されません。しかし、そこで任意保険を解約していたとしても、一度発行された保険証券は手元に残ります」

「それを見せれば実際には任意保険の契約状態にないYナンバー車でも通過できてしまうというわけです」

「代理店型の損害保険には保険期間が3年という保険もあります。それをいったん契約し1カ月分だけ保険料を納めて解約すれば、『保険期間3年の自動車保険証書』が手元に残り、3年間はその保険証書でゲート通過も可能となるのです」

なるほど。任意保険加入が義務付けられているから安心と思ったら、こんな「任意保険逃れ」のからくりがあったというわけだ。このようなYナンバー車と事故に遭遇し、自賠責保険では賄えない被害が発生した場合はどうしたらよいのだろうか。

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