ビートルズ「ホワイトアルバム」に通じる 英国の温もり ミニ・リマスタード 試乗

公開 : 2019.07.09 10:10  更新 : 2019.07.09 10:42

デビュー50周年を記念し、ビートルズの「ホワイトアルバム」はリマスタリングされ、特別エディションがリリースされました。一方で誕生から60年を迎えるBMC時代のミニも、デイビッド・ブラウンの手によって焼き直しされました。

もくじ

誕生から60年を経てリマスタリング
基本価格は9万ポンド(1224万円)から
ボディ構造まで徹底的に焼き直し
オリジナルの押さえるべきポイントはそのまま
デイビッド・ブラウン・オートモーティブ・ミニ・リマスタードのスペック

誕生から60年を経てリマスタリング

ザ・ビートルズが1968年に発表したアルバム「ザ・ビートルズ」、通称「ホワイトアルバム」は、素晴らしいミックスが加えられたダブルアルバムだった。これまでのレコードの中でも最も良い1枚だといえるが、発表から50年を迎えたことを記念して、最新のデジタルリミックスが施された特別エディションが2018年に発売された。英国車ファンなら、ご存知の読者もいるだろう。

これにはオリジナル発売前後にレコーディングされたデモ曲や、セッション・レコーディング、未発表バージョンなどが盛り込まれ、CD7枚組のボックスセットとなっている。英国価格は120ポンド(1万6000円)。ちなみに日本版はCD6枚+DVD1枚で1万9500円。1968年のビートルズは混乱期にあったと思われがちだが、楽曲としては素晴らしいものが残っている。

オリジナルのLPを大切に聞いてきたファンにとっては、受け止められ方は様々だったはず。われわれはオリジナルの「ホワイトアルバム」が完璧だと信じて愛してきた。さらに手を加える必要はあったのだろうか。

似たような感想を、デイビッド・ブラウン・オートモーティブ(DBA)が作り出したBMCミニのリマスター版ともいえる、ミニ・リマスタードに対して当初は抱いてしまった。アレック・イシゴニスが生み出したシティカーは、確かに完璧と呼べるほどではなかったにしろ、間違いなく60年前にデビューしたときからスター級の輝きを持っていた。

独創的でありながら充分に練られた設計を持ち、明確な個性も備え、エンツォ・フェラーリも1台所有していたそうだ。ビートルズも持っていた。ロンドンの街に溢れ、ビートルズとは異なり1960年代の新た味も乗り越えて、その後40年以上に渡って生産が続けられた。そんなクルマだから、世界中にファンがいて、それぞれの想いも強い。

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