メルセデス・ベンツ500E(W124) 前編 ポルシェが作ったモンスター

2019.10.12

サマリー

メルセデス・ベンツ500E(W124)のことが、心底お好きなかた、多いでしょう。前編では、このクルマの歴史、周辺事情について振り返ります。スペックだけでは伝わらぬ魅力も。

もくじ

500E 怪物たちの末裔として
伝説の1台、ポルシェとの共作
走行20万km、当たり前

500E 怪物たちの末裔として

text:Takuo Yoshida(吉田拓生)
photo:Koichi Shinohara(篠原晃一)

ブガッティ・ロワイヤル、フェラーリ250GTO、シトロエンDS、マクラーレンF1……。

自動車の世界に革命を起こした伝説的な作品たちの延長線上に、端正なノッチバックボディの4ドアセダンがいる。

オリジナルのラインを尊重しつつ大きくフレアしたフェンダー、ヘッドランプ内に仕込まれたドライビングライト、フォグランプを取り込んだバンパーなど、各部に加えられた変更の積み重ねが、ひと目で「違う!」とわかる迫力を生み出す。これは1991年、デビュー当時のプレスフォト。 出典:メルセデス・ベンツ
オリジナルのラインを尊重しつつ大きくフレアしたフェンダー、ヘッドランプ内に仕込まれたドライビングライト、フォグランプを取り込んだバンパーなど、各部に加えられた変更の積み重ねが、ひと目で「違う!」とわかる迫力を生み出す。これは1991年、デビュー当時のプレスフォト。 出典:メルセデス・ベンツ

傑作と言われ、今なお多くのファンに愛されるメルセデス・ベンツ500E。W124型ミディアムクラスのモデルライフ後期に登場し、あらためてW124シャシーの潜在能力の高さを強く印象付けた特別な1台である。

開発と生産にポルシェが深くかかわったこと。本来は直列エンジンのために設計されたエンジンベイ一杯に5LのV8を詰め込んだこと。エアロではなく前後フェンダーのフレアによってW124でありながら、「らしからぬ」雰囲気を醸し出していること……。

500Eが特別視される理由はいくつもあるが、このクルマを不世出なものにしている理由は物理の裏にある精神的なもの。

今日では極めて理性的なブランドとして知られているメルセデス・ベンツの歴史の奥深くに眠っている狂気が、この4ドアセダンに滲み出ているからではないだろうか。

メルセデス・ベンツの歴史の中で、W124 E50型500Eの精神的な祖先と言えるのは、戦前のグローサー・メルセデス(770K)や、1970年前後の300SEL 6.3といった怪物たちなのである。

 
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