エンツォ・フェラーリのデザイナー起用 アイウェイズU5 中国の新EV

公開 : 2019.11.10 09:50

中国の自動車メーカー、アイウェイズからの初めてのプロトタイプがU5。まだ改善の余地は残っているものの、既にEVとして訴求力もなくはない、と英国編集部では評価しています。ドイツ・フランクフルトで試乗しました。

もくじ

デザイナーはエンツォを手掛けたケン・オクヤマ
ラインナップにはスポーツカーも予定
EVらしく静かな走りと広い車内
市場に食い込める可能性はある
アイウェイズU5プロトタイプのスペック

デザイナーはエンツォを手掛けたケン・オクヤマ

text:Richard Bremner(リチャード・ブレンナー)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
中国の新興自動車メーカー、アイウェイズ(愛馳汽車)が生み出した中型SUVのEVがU5。2020年の発売予定で、価格は2万7000ポンド(375万円)と告知されている。

かなり甘い数字が出るNEDC値で、503kmの航続距離がうたわれている。実測に近いWLTP値での航続距離はまだ明らかではないが、通常は大幅に減少する。NEDC値でなら、さらに320kmは走れないと競争力として少々物足りない。

アイウェイズU5プロトタイプ
アイウェイズU5プロトタイプ

バッテリー容量は65kWhで妥当な大きさ。50kWの急速充電器を使えば、44分で80%まで充電が可能だという。不足のないスペックが並ぶから、アイウェイズとはどんなメーカーなのか、気になるところだと思う。

アイウェイズ(愛馳汽車)の創業者と主要メンバーは、中国のフォルクスワーゲンやアウディに在籍していた人物。デザイナーは日本人でエンツォ・フェラーリなどを手掛けたケン・オクヤマ。人工知能の分野からも有能な人物が関わっている。インターネットとの接続機能や運転支援システムなどに力を入れているという。

今回試乗したのは、プロトタイプとなるU5。中国の西安からドイツのフランクフルトへやってきた2台のうちの1台だ。これまでに10億ポンド(1390億円)以上を掛けて準備された工場から誕生した、初期のラインオフ車両となる。

ラインナップにはスポーツカーも予定

アイウェイズのサプライヤーとしては、シャシー開発に関わったドイツのボッシュ社や、電装関係大手のアメリカのリアー社など、著名どころが名を連ねている。EVメーカーとしての本気度が伺える。

ラインナップには、この中型SUVのU5の他に、5ドアクーペや小型と大型のSUV、高性能スポーツカーなども加わる予定だそうだ。

アイウェイズU5プロトタイプ
アイウェイズU5プロトタイプ

U5の最も直接的なライバルとすれば、どちらも日本には未導入だが韓国のキアeニロとヒュンダイ・コナ・エレクトリック。価格の面では強みはある。英国のMGにもZS EVという安価なモデルもあるが、バッテリー容量は40kWhしかない。

U5の特徴の1つが、スタートボタンがないこと。かわりにロックを解除して中に乗り込むことで電源が入る。スマートフォンを模したような、カーブを描いた計器用のインストゥルメント・モニターと、充分な大きさのインフォテイメント・システム用モニターが正面に並ぶ。

ブレーキペダルを踏み込む動作がスタートボタンを押す機能を果たす。ギアの選択はロータリーノブで行う。

発進加速は、アクセルペダルを優しく踏まない限り唐突に感じる。加速自体は慣れたEVのものよりも普通に感じられるが、アクセルペダルの調整は少し気を使った。

急な加減速をしないようにアクセルを操作するのは少し難しい。回生ブレーキの効率を最大まで高めると難しさは増し、ドライバーによってはギクシャクするはず。エネルギーの回生量とエコモードを呼び出すには、パドルスイッチではなくモニターで行う。

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