【英国版中古車のすゝめ】 ロールス・ロイス・シルバースピリット&スパー

公開 : 2020.01.11 07:50  更新 : 2020.12.08 10:56

ロールス・ロイス・シルバースピリット/シルバースパーの中古車 購入時の注意点

燃費が悪くパワーで劣る、キャブレター・エンジンの初期型が最も安価。1987年からフューエル・インジェクションになる。ただしインジェクターの目詰まりは不調を招く。

リビルトで一番コストが掛からないのが、GM製のトランスミッション。もちろん購入前にすべてのギアが有効か確認はしておきたい。エンジンやブレーキ、その他の部分は複雑で部品も高価。部品の品質や大きさを考えれば、法外というわけでもない。

ロールス・ロイス・シルバースピリット/シルバースパー(1980〜2000年)
ロールス・ロイス・シルバースピリット/シルバースパー(1980〜2000年)

ロールス・ロイスは長寿命であることを真剣に考えられている。適切なメンテナンスさえしていれば、耐久性は高い。知識があれば自身での修理も不可能ではないが、英国でも専門ショップでのサービスは安くはない。

アルミニウム製のエンジンには鋳鉄製のシリンダーライナーが用いられ、油圧タペットが力強くスムーズな走行を支えているが、定期的なメンテナンスは不可欠。過去の整備記録はしっかり確認し、前回の整備からどれくらいの時間が経過しているかを確かめる。

異音が出ていないか、オーバーヒートの跡がないかも確認する。オイルのフィラーキャップに乳化したオイルが付いていたり、クーラントにオイルが滲んでいたら、ガスケットの交換が必要。

キーをオンにして、2つの油圧警告灯が一度点灯するか確認する。ブレーキペダルを数回踏むと点く場合がある。もし点灯しないなら、故障を疑う。

エンジンを始動させ、寒冷時なら30秒、通常なら20秒程度アイドリングさせてエンジンを温める。一度エンジンが温まったら止め、もう一度イグニッションをオンにしてブレーキペダルを40回程度踏み、警告灯が点かないか観察する。それでも駄目なら、お金のかかる油圧システムのオーバーホールが必要ということ。

不具合を起こしやすいポイント

ボディ

ボディパネルは錆びがち。フェンダー内やテール部分は必ず見ておきたい。サイドシルやインナーフェンダー、スペアタイヤのキャリア、リアスプリング・パンなども要注意。シルバースパーの場合はエバーフレックス張りのパネルも腐食しやすい。ボディトリムは珍しく、部品も高価。英国には専門の中古パーツ取り扱い店がある。

油圧システム

ブレーキとセルフレベリング機能の付いたサスペンションは複雑で、オーバーホール費用も高い。こまめなメンテナンスが大切。ブレーキキャリパーには2つの油圧経路があり、整備には倍の手間がかかる。

エンジン

ロールス・ロイス・シルバースピリット/シルバースパー(1980〜2000年)
ロールス・ロイス・シルバースピリット/シルバースパー(1980〜2000年)

アルミニウム製のV8エンジンはパワフルだが、エンジンオイルの交換を怠っていると不調を招く。腐食にも注意。適切に整備されていれば、80万kmは使える。整備記録と同時に、エンジンルームが綺麗かどうかも確認する。整備が悪いと油圧タペットとカムから異音が出る。

タイヤとエグゾースト

製造年と状態を確認する。

サスペンション

ステアリングやダンパー、セルフレベリング機構周りからのフルード漏れに注意。日常的に乗られているクルマより、走行歴の浅いクルマの方が故障しがち。電子制御ダンパーは非常に高価。走行中の異音に注意。

インテリア

木パネルのクリア層の剥がれやひび割れ、レザーシートの退色や亀裂、湿ったカーペットなどは手入れが悪かった証拠。高品質なレザーは、時々手入れをすれば充分。ベロアは珍しいが、痛みやすい。状態のいい個体を探したい。

エアコンが機能するかも重要で、修理は安くない。定期的なガス補充はポンプの潤滑にもつながるから、サービス履歴は見ておきたい。

使用歴

長期間放置されていたクルマは、良くない兆候。

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