海外試乗

2019.05.21

ロールス・ロイスの劇的コンバージョン 世にもエレガントな働くクルマ

ロールス・ロイス・シルバーシャドー

テスト日 : 2018年5月

文・ミック・ウォルシュ 

編集部より

最良のクルマと称されることもある、芸術品のようなクラシック・ロールス・ロイスを、実用的な商用車へ改造した話を耳にしたら、どう反応するべきか迷ってしまうかもしれません。ミック・ウォルシュは、そんな風変わりなシルバーシャドーに乗る機会を得ました。果たして、その仕上がりは想像以上だったのです。

もくじ

アメリカで見つけたシルバーシャドー
意外と多い、ロールス・ロイスのコンバージョン・ピックアップ
オリジナルのエレガントさを保持
努力の結晶といえるこだわりの数々
最初で最後のピックアップ
番外編:まだまだあるコンバージョン・ピックアップ

アメリカで見つけたシルバーシャドー

非常にエキゾチックな雰囲気を漂わせるクラシックモデルを、日常の道具に生まれ変わらせた人物がいる。今回紹介するのは、ロンドンの東、エセックスに拠点を置くスペシャリスト「クラーク・アンド・カーター社」が最近手がけた、ロールス・ロイス・シルバーシャドーだ。

アイデアの種は1950年代、このクルマのオーナーである、アンソニー・バンフォード卿がまだ少年だった頃に遡る。彼は当時、ベントレーの工場があるクルーという街で、メカニックがロールス・ロイス20/25を商用車にして乗っているのを目にしたという。その記憶は、若きエンスージャストにとって忘れることのできない記憶になった。それから60年を経て、究極ともいえるレースパドックのサポートカーが誕生することになる。

このプロジェクトは、農機具や建設機械を製造する英国JCB社のトップを現在務めているアンソニー・バンフォード卿が、アメリカで改造が施されたシルバーシャドーを見つけた、2014年に始まった。「バンフォード卿が見つけたクルマが、われわれのワークショップに届いた時は驚きました」 とクラーク&カーター社のスティーブ・クラークは振り返る。

「白く塗装されたシルバーシャドーは、強引に改造されていました。鉄砲を収納するガンラックや、ドリンクキャビネットが備え付けられ、フロアには毛足の長いパイルカーペットが敷かれていました。しかも、バンパーは手荒く切断され、ボディサイドのパネルは古いクライスラー・タウン・アンド・カントリー調の木製パネルに交換されていたんです。あそこまで手が加えられていると、別のクルマをベースに初めから改造した方が遥かに簡単です。もっとも、シルバーシャドーのボディを切るなんて、普通なら罪悪感を感じますが、既にこのクルマは切り刻まれていたので、さほど心は痛みませんでした」

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