【アルファードとは異なる味つけ】“上級送迎車” トヨタ・グランエースの秘密に迫る

公開 : 2020.02.10 11:42  更新 : 2021.03.05 21:30

トヨタ・グランエースを、ひと言で表すと「上級の送迎車」。カタログの写真も後席ばかりです。では、なぜディーゼルにして、商用車タイヤを履かせたのでしょう。気になる点を取材しました。

16ページ目に、やっと運転席

text:Kouichi Kobuna(小鮒康一)
photo:Keisuke Maeda(前田恵介)/編集部

昨年開催された東京モーターショーで日本初公開となったトヨタグランエース。新興国向けに販売を開始している300系と呼ばれるハイエースをベースにしたフルサイズ・ワゴンであり、車両価格は600万円を超える高級車となっている。

すでにトヨタには高級ミニバンとしてアルファード/ヴェルファイアが存在しているが、それらの車種との差別化はズバリ“上級送迎車”であるということ。アルヴェルはオーナーが主役のハイオーナーカーという側面も持ち合わせているのに対し、グランエースは後部座席に座るゲストが第一と考えるモデルというわけだ。

アルヴェルとグランエースの立ち位置を理解するうえで参考になるのが、クラウンとセンチュリーの関係
アルヴェルとグランエースの立ち位置を理解するうえで参考になるのが、クラウンセンチュリーの関係

いうなれば、クラウンとセンチュリーの関係性に近いとでも言えば分かりやすいだろうか。

実際、カタログを見てみても、先に登場するのは後部座席の快適さについての記述であり、運転席については16ページまで読み進めて初めて登場するほどなのである。

運転席にも本革の表皮を使用したパワーシートがおごられているが、後部座席のような凝ったステッチはなく、インパネ周りを見ても全体の雰囲気を壊さない程度に加飾は施されているが、後部座席周辺に比べれば非常にシンプルなものとなっている。

とはいえ、送迎目的ではない一般ユーザーからの問い合わせも思ったより多いということで、今後オーナードライバー向けの仕様が登場する可能性もゼロではなさそうである。

上級送迎車なのに、ディーゼルしかない理由

“高級送迎車”と言うからには静粛性は当然おろそかにできない部分。しかしながら、グランエースは2.8リッター直列4気筒ディーゼル・ターボエンジンのみのラインナップとなっている。騒音面では不利なディーゼル・エンジンのみというのはいささか疑問が残るというもの。

グランエースは従来のハイエースとは異なり、エンジンをフロントのボンネット下に収めているため、大排気量のガソリン・エンジンを搭載するスペースがないのか……と思いきや、新興国向けに販売している300系ハイエースには3.5リッターV型6気筒のガソリン・エンジンの仕様も用意されているのだ。

回転を上げてパワーを出すガソリンに比べ、ディーゼル・ターボなら低回転からトルクがあり、後席乗員の乗り心地に寄与する
回転を上げてパワーを出すガソリンに比べ、ディーゼル・ターボなら低回転からトルクがあり、後席乗員の乗り心地に寄与する

これについては、ある程度高回転まで回さないとパワーとトルクが出てこないガソリン・エンジンよりも、低回転からトルクがあってスムーズに加速できるディーゼル・エンジンの方が乗り心地に寄与するという観点でディーゼル・エンジンを採用したとのこと。

騒音面については、ダッシュパネルに最適な遮音、吸音材を設定。フロントウインドウにはアコースティック・ガラスを採用し、プレミアムグレードにはスライド・ドアに合わせガラスを採用することで、アルヴェル並みの静粛性を実現したという。

これにより、実際に乗ってみてもアイドリング時と発進時にかすかにディーゼルらしいカラカラ音が聞こえてくる程度で、走り出してしまえばほとんど聞こえてこないレベル。2列目以降に座ってしまえばディーゼル・エンジンであることは感じ取ることができなかった。

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