想像以上に素直で楽しいスープラ

3台は、アップダウンの激しいヘアピンを抜ける。乱れた路面が、的確なつま先の操作を求めてくる。こんな状況では動的性能だけでなく、操縦性がそれ以上に問われる。

スープラは乗り始め、718ケイマンTやM2コンペティションより一回り大きく感じられた。幅の狭いフロントガラスの先に伸びる、長いボンネットが生む感覚的なトリックなのだろう。しかし運転へ慣れるほど、想像以上に素直で楽しめることが見えてくる。

操舵時のフィーリングはポルシェほど濃くはないものの、スープラの履くミシュラン・パイロット・スーパースポーツの確かなグリップ力が伝わってくる。アンダーステアはほとんど露呈しない。

ステアリングホイールのレシオは、3台の中で最もクイック。そのかわり、コーナーの頂点を正確にかすめるには、落ち着いた操縦が必要になる。この鋭いステアリング・レシオと短いホイールベースが組み合わさり、旋回は718ケイマンより鋭い。

ボディロールは多め。それでも、コーナリングは機敏で速い。

エイペックスを超えれば、スープラのパワーを活かして、アクセル操作によるライン調整も可能。比較的柔らかいリア・サスペンションと幅275という太いタイヤを利用し、不安感のないトラクションを引き出せる。

ドライバーが望めば、コーナー出口に向けてドリフトへ持ち込むことも造作ない。意図的に狙わなければテールスライドは起きないが、ドライバーへの自由度は担保されている。

この続きは後編にて。

画像　スープラ, 718ケイマン, M2コンペ　全171枚