アルピーヌ初のSUV『A390』予想を下回る販売は「懸念なし」 ブランド育成に必要なモデル 新規顧客獲得に貢献

公開 : 2026.10.26 17:05

ルノー・グループのCEOは、アルピーヌ『A390』の販売が予想を下回っていることを認めつつも、台数よりもブランド育成に重要な役割を果たすとの見方を示しています。実際、購入者の8割は新規顧客とのことです。

成長の原動力と期待されたSUV

ルノー・グループのフランソワ・プロヴォストCEOは、アルピーヌ初のSUV『A390』の販売台数を懸念していないと述べ、販売台数を追うよりも、長期的に「ブランドを育成する」という点でこのモデルは重要だと強調した。

ポルシェ・マカン・エレクトリックのライバルとなるA390は昨年末に欧州で発売された。ホットハッチの『A290』と並んで、アルピーヌをスポーツカーブランドから高性能EVブランドへと成長させることを目指している。

アルピーヌA390
アルピーヌA390

しかし、A390の販売台数は現在月間約250台にとどまっており、アルピーヌのフィリップ・クリエフCEOは予想を下回っていることを認めている。

プロヴォスト氏は、アルピーヌの販売予測が高すぎたとの見方を示し、ブランドの成長については「もう少し謙虚になる必要がある」と述べた。

「A390を発売した際、わたしはフィリップに『君の予測はかなり強気だ。販売台数はもっと低くなるだろうし、もっと現実的になるべきだ。なぜなら、このクルマはとても素晴らしいのだから』と言いました」とプロヴォスト氏は付け加えた。

予想通りに売れなくても心配せず

プロヴォスト氏はドイツの競合ブランドを引き合いに出しながら、A390には「極めて明確な系譜がある」と述べた。

「(競合ブランドの)お客様はアルピーヌを真剣に検討しています。アルピーヌは選択肢には入っていますが、この事前選定の段階で多くのお客様を失っています。それは、A390のドイツの競合車種は月々の支払額が安いためです。おそらく、残価や割引に力を入れているのでしょう」

アルピーヌA390
アルピーヌA390

「アルピーヌは素晴らしいブランドですが、ドイツのプレミアムスポーツカーと比較して、高価だと厳しい。しかし、A390を運転する人々は非常に楽しんでいます。だからこそ、わたし達は少し謙虚でなければなりません。道のりは長く、懸命に努力を続けなければならないのです」

プロヴォスト氏はこの謙虚さの例として米国市場参入の遅れを挙げ、A290の販売が、出だしは鈍かったもののその後加速したことを指摘した。

A390の販売台数は増加すると予想しているものの、たとえ期待通りに伸びなかったとしても「気にならない」という。

「気にしていません。なぜなら、これは20年にわたる道のりだからです。慎重になりすぎたり、迷ったりして、ブランドやDNA、資産を台無しにするようなことはしません」

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    役職:雑誌副編集長
    英国で毎週発行される印刷版の副編集長。自動車業界およびモータースポーツのジャーナリストとして20年以上の経験を持つ。2024年9月より現職に就き、業界の大物たちへのインタビューを定期的に行う一方、AUTOCARの特集記事や新セクションの指揮を執っている。特にモータースポーツに造詣が深く、クラブラリーからトップレベルの国際イベントまで、ありとあらゆるレースをカバーする。これまで運転した中で最高のクルマは、人生初の愛車でもあるプジョー206 1.4 GL。最近ではポルシェ・タイカンが印象に残った。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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