【1990年代を沸かせた和製スポーツ】スープラにGTO、フェアレディZ 後編

公開 : 2020.08.09 16:50  更新 : 2021.01.28 18:01

1990年代に登場した和製スポーツ、三菱3000GT(GTO)とA80型トヨタ・スープラ、Z32型の日産300ZX(フェアレディZ)という3台。実用性と走行性能、タフなメカニズムを融合させ、多くの人に今も愛されています。

もくじ

エンジンの足を引っ張る重たいボディ
軽量に仕上げられたA80型スープラ
メカニズムのバランスが良いZ32
排気ガス規制の強化とともに姿を消した3台
Z32は掘り出し物のクラシックスポーツ
日産300ZX、三菱3000GT、トヨタ・スープラのスペック

エンジンの足を引っ張る重たいボディ

text:Chris Chilton(クリス・チルトン)
photo:Olgun Kordal(オルガン・コーダル)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
1998年式の後期型3000GT(GTO)を所有するジョーンズは、社外製マフラーを組み、素晴らしい音響を引き出している。早朝のスタートでも隣人と揉めないような、大人な設定だ。

走り出すと、三菱は自身の体格と格闘しているようだ。センターデフを介して通常55%のトルクを後輪へ伝える四輪駆動システムを含む、数多くの装備のおかげで、車重は1810kgもある。エンジンのパワーを、重たい車体が消費する。

三菱3000GT(GTO/1990年〜1999年)
三菱3000GT(GTO/1990年〜1999年)

初期の3000GTはギア比が長く、3速で190km/hまで引っ張れた反面、軽くないボディの足を引っ張った。0-97km/h加速は5.8秒と悪くないものの、中間加速では本気のホットハッチに先を越されるほど。

モデル中期で、最高出力は286psから304psへと増強され、MTは5速から6速へとスイッチ。クルージング時のレシオがロング化され、中間のレシオをショート化。特に4速での加速で、尖さが追加された。6速MTは、考えて段数を選ぶ必要がある。

エアバッグが内蔵され、膨らんだステアリングホイールをコーナー目がけて切ると、手のひらに応えるような感触が伝わる。グリップ力は高い。一般道で必要とする以上に。トラクションも豊かで、タイトなコーナーへ突っ込む自信が湧いてくる。

50km/hを超えると、リアタイヤは最大で1.5度、フロントタイヤと同じ方向に切られる。身勝手になろうとするテールを、抑え込むセッティングだ。

ひとしきり楽しんで、三菱3000GTからトヨタ・スープラへ乗り換える。同じコーナーを走らせると、より積極的に旋回していくのがわかる。

軽量に仕上げられたA80型スープラ

A80型スープラは、ボンネットとフロント・クロスメンバーにアルミニウム使用し、燃料タンクは樹脂製。フロアカーペットの素材にもこだわり、先代より100kg近く軽量に仕上がっている。三菱3000GTと比べると、231kgも軽い。

前後の重量配分にも優れ、スープラは52:48。三菱3000GTは、57:43だ。純粋なFRだから、スポーツカーらしい走りを即時的に引き出せる。

トヨタ・スープラ(A80型/1992年〜2002年)
トヨタ・スープラ(A80型/1992年〜2002年)

トヨタ・スープラは、三菱3000GTとは異なるスタイルで走ろうと訴えてくる。A80スープラのステアリングを一度握れば、降りたくなくなってしまう。

日本仕様のスープラは、国内の自主規制に合わせて最高出力が280psに抑えられていたが、実際はもう少し高かった。欧州仕様に作られたスープラは、ターボとインジェクターが異なり、330psを獲得している。

今回取材させていただいたアダム・ハンターのスープラは、標準のまま。しかし、ダイノテストの結果では、今もパワーに衰えは見られないという。最高出力の差があるとはいえ、A80スープラは直線加速で2台を圧倒する。

低回転域でアクセルを踏み込む。2JZユニットに取り付けられた2基のターボのうち、最初は1基だけが過給。エンジンが4000rpmを超えた当たりで2基目のタービンが回り、フルパワーに到達する。

エンジンサウンドは轟音ではなく、大きなタービンのように不気味に響く。0-97km/h加速は5.1秒。160km/hまでは13秒ほど。249km/hでリミッターがかかるが、最高速度は289km/hにヒットする。

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