【2億4300万円の限定12台】ベントレー・バカラル・コンセプトへ試乗

公開 : 2020.08.19 10:20

洗練性を極めた、12台限りのコーチビルド・ラグジュアリーモデルが、ベントレー・バカラル。すでに12名のオーナーは決定済みといいますが、豪華さを極めた自動車ショー用のコンセプトモデルへ、英国編集部が試乗しました。

もくじ

マリナー部門の可能性を示す12台
ベースとなるのはコンチネンタルGTC
液体のようにも見える妖艶なボディ
W12気筒エンジンを搭載する高速クルーザー
コーチビルド市場に対する重要なスタート

マリナー部門の可能性を示す12台

text:Mike Duff(マイク・ダフ)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
雨の英国グッドウッド・サーキット。マジウイック・コーナーへバカラルはボディを進める。路面は明らかなウエットだ。

グッドウッドの第1コーナーといえば、ドライバーの腕が試される高速セクション。でも今回乗っているのは、量産前の貴重で高価な1台。意地を張るのはやめておこう。

ベントレー・バカラル・コンセプト
ベントレー・バカラル・コンセプト

2013年、似たようなコンディションでレーシングドライバーだったケニー・ブラックは、フォードGT40をドライブ。見事なカウンターステアを披露した。

流石にケニー・ブラックでも、ベントレー・バカラルでそんな真似はしないだろう。何しろ、バカラルのデジタル・スピードメーターは、273km/hを常にさしっぱなしなのだ。コーナーのエイペックス付近でも。

もちろん、実際の速度ではない。2億5000万円近くするプロトタイプのメーターが表示するのは、デモ用の画面。実際より、かなり興奮するような走行状況を再現している。

まばゆい黄金色のバカラル・コンセプトは、サーキット走行ではなく、モーターショーのブースを彩るために作られたクルマ。ベントレーのコーチビルドを引き受ける、マリナー部門の可能性を示す台数限定のロードスターだ。

完成モデルの動的性能を、披露するためのクルマではない。ダッシュボード中央にあるアナログのメーターも動いていない。針は12時の位置を指したまま。

ベースとなるのはコンチネンタルGTC

筆者はクルマに乗ると、まずエアコンの温度を調整する。そんな何気ない仕草も無効。ロータリー・コントローラーもつながっていない。

サイドウインドウは降りたまま。シートベルトも、まだ事故からは守ってはくれない。少なくとも、ワイパーはちゃんと動くようだ。

ベントレー・バカラル・コンセプト
ベントレー・バカラル・コンセプト

中身まで完成したバカラルではないから、ベントレーの主張を確認することも難しい。実際にはベントレー史上、最速のオープン・モデルになるという。

スピードは確認できなくても、ベントレーが描く、未来の超高級な世界を観察することはできる。かつての、コーチビルド時代復興を表すモデルだ。

ラディカルといいたくなるデザインのボディだが、その内側に潜むのはコンチネンタルGTコンバーチブル。基本構造とW12気筒エンジン、駆動系統を共有する。

見てのとおり、ボディパネルはすべてがオリジナル。カーボンファイバーとアルミニウムが用いられている。ベースモデルのボディを活かすのではなく、少量のオーダーメイド・ボディに掛かるコストを受け入れた、特別なモデルだ。

12台のバカラルは、180万ポンド(2億4300万円)もの価格にも関わらず、公式発表の前にはオーナーが決まっていた。特に苦労することもなく。コンチネンタルGTCより、10倍以上も高いのに。

淀んだ空模様でも、バカラルのルックスは壮観だ。ベントレーで内装やカラーのデザインを率いる、マリア・モルダーに話を聞いた。

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