75年前の月並みサルーン(1) スタンダード・ヴァンガードとオースチンA70ヘレフォード 記憶を呼び起こすタイムマシン
公開 : 2026.02.14 17:45
年月とともに趣が増すファミリーカー ジャガーへ並ぶ話題を集めたヴァンガード イメージ刷新を図ったヘレフォード 当時は優秀な動力性能 75年前の有りふれたサルーンをUK編集部がご紹介
もくじ
ー年月とともに味わいが深まるファミリーカー
ー自宅前での洗車が日曜日の朝の定番だった
ージャガーXK120へ並ぶ話題を集めたヴァンガード
ープリマスに影響を受けたアメリカンなボディ
ーイメージ刷新は難しかったA70ヘレフォード
年月とともに味わいが深まるファミリーカー
クラシックカーは、タイムマシンのようだ。当時の記憶を、つぶさに思い起こさせる。ジャガーXK120やMGAのような、スポーツカーはもちろん良い。だが、家族と過ごした平凡なファミリーカーの方が、年月とともに味わいは深まるものだ。
今回ご紹介する英国の2台、スタンダード・ヴァンガードとオースチン A70ヘレフォードは、それを代表するようなクルマ。戦前のクルマが持つ、趣まではない。1950年代を感じさせる、ツートーンでもない。記憶の片隅に、ひっそり佇むような存在だろう。

新車時の価格は、現在の価値で3万3000ポンド(約693万円)ほど。どちらも69psの最高出力で、130km/hの最高速度を叶えていた。トリムグレードは選べず、オプションもほぼなく、華やかさは乏しくても、中流階級の支持を集めた。
特に人気だったのが、ヴァンガード・フェイズ1A。1948年からの4年間に、18万4799台が売れている。リアウインドウ付きのワゴンが用意され、英国空軍にも重宝がられた。オースチンも、ドロップヘッドクーペやウッディワゴンを提供していたが。
自宅前での洗車が日曜日の朝の定番だった
既に存在しない両ブランドは、80年前、頼れる自動車メーカーとして成長を遂げていた。堅牢なエンジンに、そこそこ効くヒーターが載り、四輪油圧ブレーキを標準化。サスペンションは、後ろが従来的なリジットアクスルでも、前に独立懸架式を採用していた。
この頃のユーザーは、技術的な関心が低くなかった。パンフレットに載った透視図には、シャシーやエンジンの構造が緻密に描かれた。小柄な大人を座らせることで、車内空間の広さは強調された。誇張がひどく、実物と違うように見えた例もあったけれど。

コピーライターは、家族全員でドライブでき、平均的なガレージへ収まる大きさを訴求した。自宅前での洗車が、日曜日の朝の定番だった。
ジャガーXK120へ並ぶ話題を集めたヴァンガード
2台とも、フェンダーが一体の現代的なボディをまとう。それを支えるのは、ノックダウン生産を視野に入れた、セパレート構造のボックスセクション・シャシー。オクタン価の低いガソリンを踏まえ、比較的大きな直列4気筒エンジンが前方へ収まった。
スタンダード・ヴァンガードの発表は、戦後初の英国モーターショーとなった、1947年。輸出前提のモデルだったが、ジャガーXK120へ並ぶ話題を集めている。当時の英国では、生産数の9割を輸出することで、鉄鋼材の割当てを国から得られたのだ。

販売されたのは、計75か国。英国で注文しても、納車は6年後だと伝えられた例もあったとか。最低地上高は、北米の平滑な高速道路だけでなく、オーストラリアやアフリカのデコボコ道にも対応する、200mm。当然、グレートブリテン島の道にも向いていた。














































































































