530psで押し付けられる快感 BMW M3 ツーリング(2) 家族や荷物と一緒に走れるスーパーワゴン

公開 : 2026.04.23 18:10

モデル中期の改良を受けたBMW M3 ツーリング。S58型ツインターボは、20ps増強され530psに。大きさを実感させない、真のドライバーズカーの訴求力は一層の高みへ。UK編集部が評価します。

変速の度に背中がシートへ押し付けられる快感

モデル中期のアップデートを受けた、BMW M3 ツーリング。従来の510psでもまったく不満はなかったが、530psへ増強され、刺激は増している。ステーションワゴンという括りを抜きにして、眼を見張るほどの高性能モデルといえる。

0-100km/h加速は従来と変わらなくても、僅か3.6秒で処理する。伝説の名車、レクサスLFAと同タイムなのだから、速くないわけがない。

BMW M3 xドライブ・ツーリング(英国仕様)
BMW M3 xドライブ・ツーリング(英国仕様)

ドライブモードをスポーツプラスにすれば、3.0L直6ツインターボエンジンと8速AT、トラクションコントロールがアグレッシブに変化。そのレスポンスは驚異的といえ、変速の度にバケットシートへ背中が押し付けられる快感を味わえる。

ショートなギア比のおかげで、中間加速も強烈。キャビン内で再生される合成ノイズは、なかなかリアル。直6エンジンの甘美な響きを、大きく濁らせるものではない。

大きさを実感させない真のドライバーズカー

カーブが連続する道を、類まれな自信で駆け巡れる事実は、M3 ツーリングが真のドライバーズカーであることを物語る。リアまわりの強化が影響し、車重はサルーンのM3より85kg重い1865kgでも、操縦性のまとまりは素晴らしい。

ステアリングホイール上のMボタンを押せば、すべてが開放され、スーパーカー・キラーなワゴンへ即座に変化。ドアミラーに映る、張り出したフェンダーの意味を実感する。

BMW M3 xドライブ・ツーリング(英国仕様)
BMW M3 xドライブ・ツーリング(英国仕様)

旋回時は、大きさや重さを殆ど感じさせない。チャレンジングな区間でも、操縦性は常に正確で安定。落ち着いた姿勢制御と、リア寄りのトルク分配、圧巻なフロントタイヤのグリップ力が相乗し、目前へ広がるアスファルトを鋭くクリアしていける。

四輪駆動システムは、濡れた路面で出色のトラクションを担保。試乗日は雨で、RWDモードは試さなかったが、望ましい条件なら運転の喜びを拡幅するに違いない。

100km/h程度で流せば燃費は12.0km/L

乗り心地は、コンフォート・モードなら普段使いに問題なし。低速域では確かに硬めだが、高速道路の速度域ではしなやかさが増し、3シリーズらしく快適に移動できる。

燃費は、今回の試乗では9.0km/L前後が平均ながら、100km/h程度で大人しく流せば、12.0km/Lを超える様子。性能を考えると、感心せざるを得ない。

BMW M3 xドライブ・ツーリング(英国仕様)
BMW M3 xドライブ・ツーリング(英国仕様)

お値段は、英国では9万3585ポンド(約1965万円)から。オプションはふんだんに用意され、カーボンセラミック・ブレーキやMカーボン・バケットシート、アルティメット・パッケージを装備した試乗車は、11万ポンド(約2310万円)に迫っていた。

記事に関わった人々

  • 執筆

    サム・フィリップス

    Sam Phillips

    役職:常勤ライター
    AUTOCARに加わる以前は、クルマからボート、さらにはトラックまで、EVのあらゆる側面をカバーする姉妹誌で働いていた。現在はAUTOCARのライターとして、トップ10ランキングや定番コンテンツの更新、試乗記や中古車レビューの執筆を担当している。最新の電動モビリティ、クラシックカー、モータースポーツなど、守備範囲は広い。これまで運転した中で最高のクルマは、1990年式のローバー・ミニ・クーパーRSP。何よりも音が最高。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

BMW M3 ツーリングの前後関係

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