【テクノロジーを刷新】メルセデス・ベンツEクラス E300eへ試乗 マイナーチェンジ

公開 : 2020.08.22 10:20

フェイスリフトを受けた5代目メルセデス・ベンツEクラス。4年を経過し、運転支援システムを含むテクノロジー面で大幅なアップデートを受けました。一方で、Eクラスらしい品質や性格はそのまま。英国編集部が評価しました。

4年間、強い競争力を保ってきたEクラス

text:Lawrence Allan(ローレンス・アラン)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
登場から4年が経過した、5代目メルセデス・ベンツEクラス。英国編集部の評価も高く、エグゼクティブ・サルーンとして強い競争力を保ってきた。

より鋭い走りを楽しめたり、ルックスで惹かれるライバルも存在する。しかしEクラスならではといえる、優れた快適性と洗練製のバランスは、4年間の競争に十分耐えるだけの力があった。英国では、高速道路での移動が多い社用車としてのシェアも高い。

メルセデス・ベンツEクラス E300e(欧州仕様)
メルセデス・ベンツEクラス E300e(欧州仕様)

一方で先端技術の分野では、4年はかなり長い時間となる。すでにBMW 5シリーズアウディA6は、モデルライフ中期のマイナーチェンジを受けている。

そこでメルセデス・ベンツも、Eクラスの技術面を刷新させた。今年初めのAUTOCARの取材に対し、技術者は一部の領域ではSクラスより先進的だとすら話していた。

その筆頭といえる運転支援システムは、大幅に拡張。例えば、追加されたアクティブ・スピードリミット・アシスト機能は、カーブや交通標識を認識し、クルーズコントロールの速度を自動的に調整してくれる。

また電圧48Vによるマイルド・ハイブリッドが、すべての内燃エンジンに組み合わされた。マイナーチェンジ前と比較して、エネルギー効率を高めている。

もちろんフェイスリフトとして、ボディやインテリアではデザイン変更も受けている。装備類は向上し、新しいホイールのデザインや、ボディカラーが選べるようにもなった。

クルマの内外で刷新されたデザイン

まずは、見た目の変化から確認してみよう。マイナーチェンジ前との違いは明らか。フロント周りでは、最新CLS風のLEDヘッドライトが標準装備となり、グリルやバンパーのデザインも一新されている。

リアでは、テールライトの造形が新しくなっている。だがEクラスとして、スタイリング全体から受ける印象に大きな違いはないだろう。

メルセデス・ベンツEクラス E300e(欧州仕様)
メルセデス・ベンツEクラス E300e(欧州仕様)

近年、ドイツ御三家の中の2ブランドは、これまで以上に大胆でアグレッシブなデザイン・アプローチを取ってきている。Eクラスの落ち着きと上品さは、新鮮ですらある。

インテリアでの変更点は、さらに顕著。基本的な造形は見慣れたものだが、細部では全面的に手が入っている。

一番わかりやすいのはステアリングホイール。シンプルな3スポーク・デザインが与えられている。2本に分かれた各スポークには、それぞれ別の機能のスイッチ類が配置されている。

このステアリングホイールのスイッチは、タッチセンサー式。やや盛り過ぎにも感じられるが、慣れてくると自然で扱いやすい。

センサー式となったことで、操作性も高められている。例えば英国仕様の場合、クルーズコントロールで8km/h(5mph)ごとに速度を加減した場合は、ボタンを強めに押せばいい。優しく触れれば、1.6km/h(1mph)づつ加減することができる。

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