【RS4やC63を超える仕上がり】アルピナB3 ツーリングへ試乗 M謹製6気筒採用

公開 : 2020.10.12 10:20  更新 : 2021.01.30 21:38

滑らかな乗り心地と高い適応力

アルピナB3を運転してみると、路面へ追従する味わいがM340iより強い。特にコンフォート・プラスという独自の設定を選ぶと、荒れた路面を見事に均しながら、滑らかにボディを運んでくれる。

試乗車にはオプションの20インチホイールと、扁平率30という薄いタイヤを履いていた。落ち着きのない乗り心地にもなり得るだけに、見事な仕事だといわざるを得ない。

アルピナB3 ツーリング(英国仕様)
アルピナB3 ツーリング(英国仕様)

ロードノイズは予想よりも若干大きい。しかし、これだけの動的性能を実現していることを考えれば、充分に許容範囲だろう。

ノーマルのドライビング・モードでも、B3はM340i以上に充足感ある振る舞いで道を走る。アウディメルセデスAMGの想定ライバルよりも、優れている。

さらにB3は、尋常ではないほどにクルマの適応力が高い。2500rpm以下の回転域でも、パワートレインは柔軟に、力強く反応する。前世代のB3やクーペのB4は、ブースト圧の上昇とともにトルクが突然牙を向くような性格があった。

ステアリングは、レシオも重み付けも適正。シャシー全体が、快適で馴染みやすい設定に感じられる。

オプションのメリノ・レザーで覆われたシートへ3時間ほど座って運転しても、まったく苦にはならないだろう。走り抜ける環境や条件は、問わない。

バランスが良く、落ち着きがあり、まとまりがいい

シャシーとパワートレインを、スポーツかスポーツプラス・モードに切り替えれば、B3 ツーリングの別の側面に出会える。メルセデスAMG C63エステートほどの生々しさや遊び心はないものの、表現しきれないほどに速い。

B3の前後のトルク分配率は、M340iよりもフロント側に振ってある。しかしドライビングフィールは、サラブレッド。バランスが良く、落ち着きがあり、まとまりがいい。

アルピナB3 ツーリング(英国仕様)
アルピナB3 ツーリング(英国仕様)

姿勢制御も秀抜。スピードを感じさせる最小限の自然なロールがあり、ドライバーの操る自信を引き出してくれる。

50km/hでも速すぎると感じるコーナーでも、シャシーは見事に対応。何事もなかったように加速を始める。一体感と正確さが追求されている。

アウディRS4の方が、より強い横方向のGを生成できるかもしれない。しかし多くのドライバーは、アルピナを限界領域まで攻め込む方が、より爽快に感じられると思う。

B3 ツーリングは美しいと感じるほど、流れるように身をこなす。ハードに攻め立てても、シャシーとパワートレインは、喜んで腕利きのドライバーに答えてくれる。B3が手に負えなくなる場面はあるのかと、疑問に感じるほどだ。

燃費や満タンでの航続距離は、日常的に乗るクルマとして重要な要素。別の機会に確かめたい。

アルピナB3 ツーリング。筆者も購入したいと思う。お金があれば。

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