【電動化は待ったなし!】クルマ電動化時代に知っておきたい電気系用語 「馬力」ではない?

公開 : 2021.01.04 08:25  更新 : 2021.10.09 23:41

EVやPHEVなどで注目の用語

昨年くらいから欧州ブランドを中心に急激に増えているのが電気自動車(EV)とプラグインハイブリッドカー(PHEV)である。

この2種の電動車(xEV)の特徴は、クルマの外部から充電した電気で走行ができる。そこで満充電してから走れる距離を電気自動車では「一充電走行距離(km)」と呼ぶ。一般的に、航続距離と呼ばれる性能だ。

ポルシェ・タイカン
ポルシェタイカン    ポルシェ

ところが、プラグインハイブリッドカー(PHEV)では、これに対して「等価EVレンジ(EV走行換算距離)(km)」という言葉が使われる。これはプラグインハイブリッドカー(PHEV)の場合、実際に満充電からスタートしても、必ず外部充電の電力だけで走るのではなく、途中でエンジンが始動して発電する可能性があるためだ。

途中で発電すれば、充電した電気の分よりも余計に長く走れる。そのため「プラグインレンジ(充電電力使用時走行距離)(km)」という別の諸元項目がある。これは「外部充電で電気走行して、完全に燃料走行に切り替わるまでの走行距離」を表す。

ややこしいのだが、走り始めて、ずっと外部充電の電気だけで走り続ける制御の場合は、「等価EVレンジ(EV走行換算距離)」と「プラグインレンジ(充電電力使用時走行距離)」は同じになる。2つの数値が違うときは、途中でエンジンが始動して発電することを意味する。

そして、外部充電で走行中の効率を表す用語が「交流電気量消費率(Wh/km)」だ。これは主に電気自動車で使われる指標で、1km走行するのに必要な電力量のこと。電力量が少ないほど、効率の良いクルマであることを意味する。

この効率のプラグインハイブリッド版が「交流電力消費率(km/kWh)」だ。外部充電1kWhあたりに走行可能な距離を意味する。これは逆に数字が大きいほど、効率が良いことになる。

電気を使ってモーターで走るときの効率の良さは、「交流電気量消費率(Wh/km)」と「交流電力消費率(km/kWh)」を見るようにしよう。

プラグインハイブリッドカー(PHEV)は、最初は外部充電からの電気で走るが、そのまま走っていると外部充電がなくなり、エンジンが始動しての走行に切り替わる。その後は、普通のハイブリッドカーと同じになり、そこでの燃費性能は「ハイブリッド燃料消費率(km/L)」で示されることになる。

ちなみに電気自動車(EV)やプラグインハイブリッドカー(PHEV)の充電は、交流(AC)と直流(DC)の2通りの方法がある。家庭などで100V、もしくは200Vの充電は交流(AC)電源が使われる。そして急速充電は直流(DC)となる。基本的な充電は、交流(AC)となり、急速充電(DC)は、あくまでも緊急時用という考えから、性能を示す言葉に「交流~」が使われることが多いのだ。

電動車(xEV)は電気を利用するため、これまでのクルマには使われなかった新たな電気系の用語が増えている。しかし、これらの電気系の用語を理解しなければ、電動車(xEV)の性能もわからなくなる。ぜひともチェックして覚えておきたい。

記事に関わった人々

  • 鈴木ケンイチ

    Kenichi Suzuki

    1966年生まれ。中学時代は自転車、学生時代はオートバイにのめり込み、アルバイトはバイク便。一般誌/音楽誌でライターになった後も、やはり乗り物好きの本性は変わらず、気づけば自動車関連の仕事が中心に。30代はサーキット走行にのめり込み、ワンメイクレースにも参戦。愛車はマツダ・ロードスター。今の趣味はロードバイクと楽器演奏(ベース)。

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