批判された初代『X5』、実力以上に速く見えるオープンモデルなど 物議を醸したBMW 29選(中編) 失敗を恐れない果敢さ

公開 : 2026.05.04 11:25

BMWは輝かしい歴史の中で素晴らしいクルマを数多く生み出してきましたが、議論を呼んだものもあります。安価な3輪車やリアエンジンの小型車、奇抜すぎるスタイリングなど、物議を醸したクルマを29台紹介します。

BMW 3シリーズ・ツーリング(1987年)

ステーションワゴンの「ツーリング」はセダンよりも実用的だと思われがちで、実際にその通りなのだが、初期の3シリーズにおいては違った。BMWの公式データによると、VDA(ドイツ自動車工業会)方式で測定した325iセダンの荷室容量は404Lで、ツーリングは370Lと大幅に劣っているのだ。

公平を期すために付け加えると、後部座席を倒せばツーリングの荷室容量は1125Lへと劇的に増加する。しかし、当時の評論家たちは、5人乗車時ではセダンよりも荷物を積めないことにすぐに気付いた。

BMW 3シリーズ・ツーリング(1987年)
BMW 3シリーズ・ツーリング(1987年)

BMW Z1(1988年)

Z1は、507と同様の2人乗りロードスターであり、したがって間接的な後継車と言えるだろう。また、実力以上に速そうに見えるという点で初代M5とは対照的だ。2.5L直列6気筒エンジンの最高出力は170psと、十分なパワーを持っていたが、驚くほどではない。

Z1の興味深い特徴としては、下方に格納されるドアや、ドライバー1本でボディパネルを交換可能な点などが挙げられる。3年間で約8000台が生産され、販売には苦労しなかったようだ。

BMW Z1(1988年)
BMW Z1(1988年)

BMW M8(1990年代初頭)

初代M8(プロトタイプのみ)については、2010年にBMWがその存在を明らかにするまでほとんど知られていなかった。搭載予定だった6.0L V12エンジンの出力については諸説あるが、BMWは最大640psと示唆している。参考までに、現代のM8(2代目8シリーズ)に搭載されるツインターボ4.4L V8エンジンの出力は625psだ。

BMWは初代M8の量産化を見送ったが、現在では「もし発売されていれば、間違いなく世界中で大きな反響を呼んだだろう」と述べている。その通りだろう。発売されなかった背景には、環境への配慮があったと言われている。

BMW M8(1990年代初頭)
BMW M8(1990年代初頭)

BMW Z3(1996年)

BMWのZシリーズ(Zukunft、すなわち「未来」を意味する)の第2弾であり、初めて大量生産されたモデルである。排気量2.0L以下の4気筒エンジンを含む、いくつかのエンジンが用意されていた。

Z3の評価は分かれた。ラインナップ中最小のエンジンは非力で、スポーティなBMWにはまったく不向きだと感じる人もいた。一方で、非力ながらもハンドリングが素晴らしく、高出力の6気筒モデルにはないバランスの良さを持っていると主張する人もいた。

BMW Z3(1996年)
BMW Z3(1996年)

BMW Z3クーペ(1998年)

発売当初、Z3はロードスターのみの設定だったが、2年後にクーペボディが導入された。エンジンは6気筒のみ。クーペとしては珍しくリアウィンドウが垂直に近い角度であるため、ステーションワゴンのように見え、「ブレッドバン(パン屋のバン)」というあだ名がついた。

「このクルマは万人に愛されるものではないだろう」とBMW幹部のヴォルフガング・ライツレ氏は述べたが、その通りだった。良かった点としては、荷室容量が410Lと、初代3シリーズ・ツーリングよりも大きかったことが挙げられる。

BMW Z3クーペ(1998年)
BMW Z3クーペ(1998年)

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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