物議を醸したBMW 29選(前編) かわいいバブルカーから高価すぎたスポーツカーまで 世間を驚かせた奇抜設計

公開 : 2026.05.04 11:05

BMWは輝かしい歴史の中で素晴らしいクルマを数多く生み出してきましたが、議論を呼んだものもあります。安価な3輪車やリアエンジンの小型車、奇抜すぎるスタイリングなど、物議を醸したクルマを29台紹介します。

強烈なインパクトを残した29台

歴史を振り返ってみても、BMWに対する人々の意見は常に強かった。航空機エンジンのメーカーとして名声を博していたバイエルンのBMWが自動車業界に参入してからほぼ1世紀、話題に事欠くことはなかった。

その例として、本特集では29台のBMWを紹介する。いずれも、さまざまな理由から話題を呼び、物議を醸したクルマだ。年代順に見ていこう。

大きな話題を呼んだBMWを29台紹介する。
大きな話題を呼んだBMWを29台紹介する。

BMW 3/15(1928年)

BMW初の四輪乗用車。デビュー当時はそれほど騒がれることはなかったが、改めて振り返ってみれば、中身がオースチン・セブンであったという点は注目に値する。オースチンのライセンス生産を行っていたアイゼナハ車両製作所を買収したことで、その生産を引き継いだのである。

BMWは何度か改良を加え、1932年には3/20というモデルを導入した。依然としてオースチンと深く関連していたが、別個のモデルと見なせるほど相違点は多かった。1994年、BMWはオースチンの後継企業であるローバー・グループを買収した。

BMW 3/15(1928年)
BMW 3/15(1928年)

BMW 501(1952年)

第二次世界大戦後に初めてBMWが発売したモデルである502は、優雅に流れるようなラインから「バロックの天使(バロック・エンジェル)」という愛称で呼ばれた。しかし、非常に高価だったこと(当時のドイツ人の平均年収の4倍と言われる)や、最高出力65psの2.0L直列6気筒エンジンが、1430kgの車重に対して非力すぎたことなどが主な弱点として挙げられる。

改良によってエンジン出力は徐々に向上し、ラインナップに2.6L V8が加わるなど大きな変化もあったが、BMW自身の言葉を借りれば、全体として501は「商業的な成功とはならなかった」のだ。

BMW 501(1952年)
BMW 501(1952年)

BMWイセッタ(1955年)

BMWがバブルカーを生産するというのは、今日ではほとんど想像もつかないものだ。当時、なんとか利益を生むモデルをラインナップに加えるため、イタリアのメーカーであるイソ社の小型車イセッタのデザインを引き継いだのだ。販売は確かに成功したが、このような小型車から得られる利益には限界があり、財政的危機から脱却するためにはさらなる努力が必要とされた。

BMWイセッタ(1955年)
BMWイセッタ(1955年)

BMW 507(1956年)

507は、BMWがこれまでに生産した中で最も美しいクルマの1つと言える。501と関連があり、3.2L V8エンジンを搭載している。かのエルヴィス・プレスリーが米国陸軍に所属していたころ、ドイツでの兵役中に1台購入したのは有名な話だ。ただ、507は生産コストが高く、それに応じた価格設定を余儀なくされた。販売は極めて不振で、わずか251台しか生産されなかった。

これはBMWにとっても痛手となった。実業家ヘルベルト・クヴァント(1910〜1982年)が主要株主となり、巨額の資金注入を受けていなければ、長く存続できなかったかもしれない。

BMW 507(1956年)
BMW 507(1956年)

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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