【プジョー躍進に、陰の立役者?】11月のインポートカー登録台数 全体では足踏み状態も、英・仏・伊ブランドが上向き

公開 : 2020.12.10 05:45  更新 : 2021.10.11 09:38

11月のトップ10は

今月もメルセデス・ベンツが5640台(前年同月比93.2%)とライバルを引き離し、単独首位を獲得。

69か月連続でトップに君臨し、記録を更新した。

5年以上首位をひた走るメルセデス・ベンツ。9月には中心モデルの1つであるEクラスを改良新型にアップデート。ビッグマイナーと呼べるモデルチェンジとなった。
5年以上首位をひた走るメルセデス・ベンツ。9月には中心モデルの1つであるEクラスを改良新型にアップデート。ビッグマイナーと呼べるモデルチェンジとなった。

2位は、前月に続きBMWで3540台(同102.3%)。フォルクスワーゲンは2498台(同66.4%)と低調ながら3位に留まった。

以下、4位のアウディは2005台(同96.7%)、5位には好調のBMWミニが1835台(同121.0%)で着ける。6位はプジョーが1307台(同147.5%)と2か月連続で躍進し、そのポジションを確固たるものとした。

7位のジープは1272台(同127.5%)と今月も上り調子だが、8位のボルボは1251台(同71.4%)と低調に。

9位のシトロエンは好調で520台(同135.8%)でワンランクアップ。10位はフィアットが495台(同136.4%)とポジションを1つ下げたが今月も健闘した。

この結果を見ると、趣味性の高いブランドが躍進していることが見えてくる。

スポーツ/ラグジュアリー系は?

量販モデルは明暗が分かれているが、趣味性の高いスポーツカーとプレミアム・モデルは一部メーカーを除いて良好なセールスを見せている。

11月の結果を見ると、ロータスが34台(同261.5%)で最大の伸び率に。

台数のボリュームはとうぜん小さいが、好調を続けるロータス。画像は、エリーゼ・クラシック・ヘリテージ・エディション。
台数のボリュームはとうぜん小さいが、好調を続けるロータス。画像は、エリーゼ・クラシック・ヘリテージ・エディション。

コロナ禍にあっても1月からほとんどの月で前年超えを記録し、そこに限定車のエリーゼ・クラシック・ヘリテージ・エディションが上乗せされた結果といえる。

次に伸び率が大きかったのは、今月も絶好調が続くフェラーリ。104台(同260.0%)を記録した。こちらは、F8トリブートのデリバリーが本格化した結果である。

2020-2021 日本カー・オブ・ザ・イヤーでパフォーマンス・カー・オブ・ザ・イヤーをB3で獲得したBMWアルピナは23台(同261.5%)と飛躍。

このほかロールス・ロイスが26台(同162.5%)を記録し、アストン マーティンマクラーレンも先月からの調子の良さをキープし、プラスを維持した。

一方でポルシェは今月も元気がなく、463台(同82.5%)。先月に続いて前年を割り込んでしまう。

またランボルギーニは43台の登録を数えたが、前年同月比で93.5%とプラスまで一歩及ばなかった。

このカテゴリーは分母となる台数が少ないため大化けすることがあるが、本質を知るハイエンド・エンスージァストが下す決断は、流行に左右されないだけに本当の評価といえる。

前にも書いたがプレミアム・モデルに原則的に即納車はない。通常はオーダーから早くて半年、複雑な仕様の場合は2年近く待って納車されるため、今月に販売されたものではないことを理解されたい。

記事に関わった人々

  • 上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。

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