【マジメ・メーカーの遊び心】フォルクスワーゲンTロックとTクロスはコンパクトSUVのスタンダードとなるのか?

公開 : 2021.01.04 09:45  更新 : 2021.10.13 12:17

よりカジュアルな印象のTクロス

続いて試乗したのがTロックよりもさらにコンパクトなボディを持つTクロスだ。

コンパクトといっても全幅は1760mmあるが、もはや3ナンバーサイズだからといって大きいと考える人も少ないだろう。むしろ全長は4115mmしかないため、よりカタマリ感が強調されているともいえる。

フォルクスワーゲンTクロス
フォルクスワーゲンTクロス

デザインはTロックほど複雑な構成面はもっていないが、SUVらしい力強さとカジュアルな印象を上手くミックスしており、都市部からアウトドアまでシーンを選ばず溶け込んでくれそうなカジュアルさが魅力的だ。

室内空間はボディサイズから考えると必要十分で、リアシートも2人までならしっかり座ることができる。試乗車は改良前のモデルでアナログメーターが備わっていたが、現在はTロックと同じくデジタルメーター・クラスターが標準で備わるため、クラスを超えた質感を楽しむことができそうだ。

ただ、走りに関しては先にTロックに乗ってしまったということもあってか、1Lターボに1.3tのボディはやや物足りなさを感じてしまった。特に試乗コースがアップダウンの多い峠道だったことも影響しているかもしれないが、高回転域でのノビ感がもう少しあれば言うことなしだった。

しかしながら、街乗り中心で考えれば、わずか2000回転で最大トルクを発生するエンジンは必要十分ともいえ、それ以上を求めるのであれば、Tロックがありますよ、ということなのかもしれない。

そういったことも考えると、Tロックはゴルフ、Tクロスはポロのポジションをカバーする、新世代のフォルクスワーゲンのベーシックモデルということなのかもしれない。

今後クロスオーバーSUVの人気がどう変化するかは分からないが、楽し気なルックスと真面目な中身のフォルクスワーゲンのこの2台が色褪せることはなさそうだ。

記事に関わった人々

  • 小鮒康一

    Koichi Kobuna

    1979年生まれ。幼少のころに再放送されていた「西部警察」によってクルマに目覚めるも、学生時代はクルマと無縁の生活を送る。免許取得後にその想いが再燃し、気づけば旧車からEV、軽自動車まで幅広い車種を所有することに。どちらかというとヘンテコなクルマを愛し、最近では格安車を拾ってきてはそれなりに仕上げることに歓びを見出した、尿酸値高い系男子。

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