「本物の感触」に勝るものなし マクラーレンW1(2) V8ツインターボは完全新設計 路面と息を合わせる快適性 4億超でも完売済み

公開 : 2026.07.01 11:50

399台限定のハイパーカー、マクラーレンW1が登場。カーボン製タブシャシーに後輪駆動のハイブリッドで、乾燥重量1399kg。総合1276psと136.3kg-mの実力とは? UK編集部が初試乗です。

新設計の4.0L V8ツインターボで総合1276ps

マクラーレンW1がミドシップするオールアルミ製V8エンジン、MHP-8ユニットは完全な新設計。ボアが92mmのストロークが75mmで、排気量は3988ccあり、ピストンはフラットプレーンクランクに結ばれる。

シリンダーライナーを用いず、プラズマコーティングを施しシリンダーの間隔を極力狭め、ブロックの全長を40mm詰めたという。強力なターボが2基組まれ、単体での最高出力は9200rpmで929ps。最大トルクは91.6kg-mにもなる。

マクラーレンW1(英国仕様)
マクラーレンW1(英国仕様)

8速デュアルクラッチATにはラジアルフラックス・モーターが実装され、346psと44.7kg-mで補完。駆動用バッテリーは1.384kWhあり、電気だけでも僅かな距離なら走れる。またシステム総合で、1276psと136.3kg-mに達する。

コンフォート・モード時は、モーターがトルクの落ち込みをフォローし、他のモードでは9200rpmまで積極的に動作。本当の全力を召喚できるのはブースト・モード時で、最速ラップを狙う時に備えてスプリント・モードも用意される。

最高速度はリミッターが働き349km/h

ブレーキはディスク直径が390mmあり、キャリパーは前が6ポッドの、後ろが4ポッド。ホイールは前が19インチの9.5J、後ろが20インチの12.0Jとなり、専用のピレリPゼロ・タイヤが組まれ、トロフェオやスタッドレスも指定できる。

0-97km/h加速は2.7秒で、最高速度は、タイヤの性能を理由にリミッターが働き、349km/h。これだけの動力性能を、リアタイヤのみの駆動で叶えているのだから驚かずにいられない。しかも、晴天の好条件ではあったが、言葉を失うほど扱いやすい。

マクラーレンW1(英国仕様)
マクラーレンW1(英国仕様)

エンジン音は、従来のマクラーレン・ユニットより甲高く響き魅力的。コンフォート・モードで8速ATへ変速を任せておけば、滑らかにギアが切り替わり、回転数は極力低く抑えられる。デュアルクラッチで、シフトパドルを弾けば即座に反応もする。

ブレーキとステアリングは油圧式で、リミテッドスリップ・デフも、シンプルな電子制御の油圧式。マクラーレンは、簡素で正直な体験をドライバーは求めていると考えており、一体感を追求した選択だという。

「路面と息を合わせるような快適性」

W1の乗り心地を、同社の技術者は「路面と息を合わせるような快適性」と表現するが、大げさなものではない。概して同社のモデルは快適ながら、素晴らしくしなやか。長距離移動でも、疲れ知らずに思えるほど。

イタリアの公道にも、ところどころ舗装の傷んだ場所はあり、その処理能力はお見事。入力は巧妙に吸収され、落ち着きを乱さない。稀に、前後方向の揺れを残す程度だ。

マクラーレンW1(英国仕様)
マクラーレンW1(英国仕様)

最もシリアスなレース+モードで、サーキットの縁石へ乗り上げても、ボディは平静。タイトコーナーでは対角線上に若干傾く印象ながら、運転スタイルで調整は可能だろう。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・プライヤー

    Matt Prior

    役職:編集委員
    新型車を世界で最初に試乗するジャーナリストの1人。AUTOCARの主要な特集記事のライターであり、YouTubeチャンネルのメインパーソナリティでもある。1997年よりクルマに関する執筆や講演活動を行っており、自動車専門メディアの編集者を経て2005年にAUTOCARに移籍。あらゆる時代のクルマやエンジニアリングに関心を持ち、レーシングライセンスと、故障したクラシックカーやバイクをいくつか所有している。これまで運転した中で最高のクルマは、2009年式のフォード・フィエスタ・ゼテックS。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

マクラーレンW1の前後関係

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