鍵を握るのは柔軟性 ランボルギーニを変革したステファン・ヴィンケルマンCEO:イシゴニス賞(後編) #AUTOCARアワード2026
公開 : 2026.07.01 18:10
ランボルギーニのトップを長年務めているステファン・ヴィンケルマン氏は、困難な時代の中にあっても安定した経営を貫いてきました。そのリーダーシップが評価され、AUTOCARアワードでイシゴニス賞を受賞しました。
アイデアを拒まない社風
では、ランボルギーニはどのようにしてこのワイルドな側面を維持しているのだろうか? ヴィンケルマン氏は次のように語っている。
「わたし達は常に未来を見据えています。ただ、ランボルギーニの歴史を振り返れば、さまざまな試みがありました。決してスーパーカーだけの会社ではないのです。LM002(軍用車から発展したオフローダー)のようなマシンもありました。時には、あまり成功しなかったプロジェクトも数多くあります」

「しかし、わたし達の戦略は、ベースモデルを用意した上で、誰もが自由にアイデアを口に出せるようにすることです。そうしたアイデアの99.9%はおそらく却下されますが、時折本当にクールなものが現れ、それを試してみることもあります。例えば『ステラート』は、非常にうまくいきましたね。市場のまさに絶妙なポイントをつくことができたのです」
「誰かが持ってきたアイデアを、わたしが気に入ることもあります。まったく的外れで、実現しないこともあります。ですが、常にこうしたブレインストーミングを行い、そうしたアイデアを許容しています。時には馬鹿げたものもあると認めざるを得ません。しかし、結局のところ、扉を開けておけば、良いことが起こるのです」
揺らぐ情勢下での安定性
重要なのは、ヴィンケルマン氏の体制下で、そうした目を引くモデルが(ランボルギーニの歴史上おそらく初めて)ビジネスロジックに裏打ちされている点だ。そのため、サンタアガタに新しいウルス工場ができただけでなく、2台のスーパーカーの組立ラインが1つに統合され、需要に応じた柔軟な対応が可能になった。
「タクトタイム(1つの製品を生産するのに要する時間)が異なるため複雑ではありますが、総生産量を変更せずに各モデルの生産量を調整できるようになりました。そして従業員は両方のモデルを組み立てられるようになり、彼らはそのことに大きな誇りを感じています」

その柔軟性こそが鍵となる。前述の通り、ヴィンケルマン氏は2008年の世界金融危機の直前にランボルギーニに着任し、2020年12月には新型コロナウイルスのパンデミックの最中に同社へ復帰した。そして、ご存知の通り、今も世界情勢はさほど改善していない。そのような状況下でもランボルギーニが成長を続けてきたことは、彼がもたらした安定性の証であろう。
「過去5年間の課題への対応は、かなりうまくいっています。しかし、半導体不足、ウクライナ戦争、関税問題、そして今や中東紛争まであり、容易なことではありません。さらに現在は中国市場が低迷しており、為替レートや柔軟性、スピードといった課題も抱えています。地域間のバランスが取れた販売体制が鍵となります。特定の国や地域に過度に依存したくはありません」

























