「大排気量V8」が再注目 メルセデス・ベンツ、ロータス、ステランティスなど続々復活 要因はEV嫌いと米国規制緩和

公開 : 2026.07.01 07:25

高級EVの低迷や米国での環境規制緩和を受けて、大排気量V8エンジンが再び注目を集め始めています。ロータスやメルセデス・ベンツ、ステランティスに加え、中国メーカーもV8導入への意欲を示しています。

高級車ではエンジンが好まれる

米国の規制緩和と、消費者の高級EVへの消極的な姿勢を背景に、V8エンジンが衝撃的な復活を遂げている。

ステランティス、ロータスメルセデス・ベンツなどがラインナップにV8エンジンを再導入しており、新興の中国自動車メーカーも初のV8モデル開発に取り組んでいる。一方、BMWフォード、ゼネラルモーターズといったメーカーも、顧客ニーズに応えて新規開発に投資し、V8エンジン支持を表明している。

高級車のステータスとしてV8エンジンが再び脚光を浴びている。
高級車のステータスとしてV8エンジンが再び脚光を浴びている。

V8エンジンはかつて、主に米国車において何世代にもわたり主流のパワートレインであった。現在は主流とは程遠いものの、あらゆる困難を乗り越え、EVの猛攻を生き延びてきた。

多くのEVは内燃機関特有の荒々しさや排出ガスは伴わずに、V8並みのパワーを容易に発揮できる。しかし、決定的なのは、多くの購入者が愛してやまない「個性」が欠けている点だ。

ロータスのCEOであるフェン・チンフェン氏は、「高級車セグメントでは、お客様は単にパワフルな大排気量エンジン搭載車を運転するスリルを楽しんでいるのです。彼らは、どういうわけかEVの滑らかさを好まないのです」と語った。

ロータスも新型スーパーカーに搭載

ロータスは、親会社である中国の巨大企業ジーリー(吉利汽車)の経営資源を活用している。ジーリーは、エンジンメーカーのホース・パワートレイン(Horse)社の株式を一部保有しており、V8およびV6エンジンへの投資を行っている。

フェン氏によると、このエンジンはロータスの新型スーパーカーに搭載されるほか、吉利傘下のオフロード車にも採用される予定だ。また、Lynk&Coの「M5キラー」と呼ばれるモデルへの搭載も示唆されている。

ロータスの新型スーパーカーの予告画像
ロータスの新型スーパーカーの予告画像    ロータス

ホース・パワートレイン製のV8エンジンは、これまでBMWやメルセデス・ベンツに依存していた中小メーカー(ランドローバーアストン マーティンなど)にとって、新しい選択肢となり得る。

一方、ステランティスではアントニオ・フィローザ新CEOの下、ラムのピックアップトラック向けにヘミV8エンジンを復活させたことで、米国での販売が伸びている。

前CEOのカルロス・タバレス氏は、厳しい環境規制を見越して低排出ガスの直列6気筒エンジン「ハリケーン」を採用し、ヘミを廃止したが、一部のピックアップトラック購入者からは不評だった。フィローザ氏によると、第1四半期のラムへの受注のうち、ヘミが占める割合は40%に達したという。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ニック・ギブス

    Nick Gibbs

    英国編集部ビジネス担当記者
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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