【純EVのエントリーモデル】量産版初試乗 メルセデス・ベンツEQA 250 189psで423km

公開 : 2021.03.20 08:25  更新 : 2021.04.27 07:03

少々狭いGLAと同様のインテリア

今回EQA 250を試乗した印象は、良い点もあれば、悪い点もなくはない、といったものだった。

まずはポジティブなところから。バッテリーがフロアに敷かれているにも関わらず、ドライビングポジションは適度にスポーティ。乗り心地も悪くない。

メルセデス・ベンツEQA 250 プレミアム・プラス(欧州仕様)
メルセデス・ベンツEQA 250 プレミアム・プラス(欧州仕様)

インテリアはエンジンを積むGLAと基本的には同じで、きっと気に入るだろう。インフォテインメント・システムのMBUX用に用意されたワイドなモニターの表示は鮮明で、EVにまつわるグラフィックも美しい。

大きなタッチモニターの反応も良好。とても滑らかにインフォテインメント・システムを操作できる。

反面、ネガの部分も。4万ポンド(600万円)を超える価格を考えると、少々プラスチック製パーツが目立つ印象だった。

車内空間も広々とはいえず、リアシート回りはキアeニロの方がはるかにゆとりがある。パノラミック・グラスルーフや間接照明などが用意されているが、少し窮屈な感じは否めないだろう。

もっともGLAの車内も同等の広さしかなく、プラットフォームを共有する以上、エンジニアができることは限られていたはず。荷室の床面は若干持ち上げられ、容量は小さくなっている。

純EV専用のアーキテクチャなら、より電気自動車らしい先進的な雰囲気をEQAの車内に与えることもできたと思う。

制御に優れる知的な回生ブレーキ

続いては走りの印象。自然な感触のステアリングホイールの操舵感や、スポーツ・モードで走りがキビキビと変化すること、車内の遮音性などが良い点として挙げられるだろう。

だたし、絶対的な動的性能は高いとはいえない。パワーウエイトレシオが92ps/tであることは、追い越しをかける時は忘れない方がいい。

メルセデス・ベンツEQA 250 プレミアム・プラス(欧州仕様)
メルセデス・ベンツEQA 250 プレミアム・プラス(欧州仕様)

回生ブレーキを積極的に用いれば、ブレーキディスクを交換せずに、数10万kmは乗れるかもしれない。駆動用モーターが効率的に運動エネルギーを電気エネルギーに変換し、ブレーキパッドでディスクを挟むことなく速度を落としてくれる。

電気自動車として珍しいことではない。でも、EQAのシステムはとてもよく制御できている。

回生ブレーキの強さには3段階が用意され、わずかに効いていると感じる程度から、少し強めにブレーキペダルを踏んだときの減速感まで、アクセルペダルを放した時の設定の幅は広い。切り替えは、ステアリングホイールに付いたパドルでおこなえる。

直感的な動作で、コーナリング中に強さを切り替えて効果的な減速感を引き出せるから、充足感も高い。さらに注目したいのがオート・モードで、その制御には感心させられた。

EQAのセンサーやカメラが速度制限や交通状況を判断し、GPSデータを利用してコーナーや交差点の接近を予測。回生ブレーキを自動で調整してくれる。

試乗中、2度ほど小さなつまづきもあったが、基本的に動作は滑らか。望んだとおり必要なだけ速度を調整してくれ、筆者はすぐに慣れることができた。

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