合理的にも感覚的にも好バランスの電動SUV メルセデス・ベンツGLC 400 EQテクノロジー(2) 強み発揮のコンフォート・モード

公開 : 2026.06.18 18:10

メルセデス・ベンツGLCに電動の新世代が登場。2代目X254系とイメージ共有のボディに2モーターを積み、最高出力490ps。敏捷な操縦性と洗練の快適性を叶え、長距離も得意分野。UK編集部が試乗です。

ボディを後ろへ傾けシームレスに加速

最新デジタル技術を満載した、メルセデス・ベンツGLC 400 EQテクノロジー。車重は2535kgと軽くないが、490psあるから非常に速い。大きなSUVがボディを僅かに後ろへ傾け、シームレスに加速していく様には、不思議と惹かれるモノがある。

リアモーターには2速ATが組まれ、速度上昇とともに変速。意識していればパワーの寸断を感じるものの、ギアの切り替わりには気付きにくい。高速域まで、気分が悪くなるほどの勢いは続く。とはいえ、パワートレインの特徴は薄味だ。

メルセデス・ベンツGLC 400 4マティック・ウィズEQテクノロジー(英国仕様)
メルセデス・ベンツGLC 400 4マティック・ウィズEQテクノロジー(英国仕様)

スポーツ・モードを選べば、一層エネルギッシュに走らせることもできるが、少し過剰に思えた。航続距離が伸びる、コンフォート・モードが筆者の好み。アクセルペダルの重み付けは絶妙で、滑らかにパワーを引き出せ、快適なクルージングを堪能できる。

ステアリングホイール裏のパドルで、素早く回生ブレーキの効きを選べるのも好ましい。惰性走行できる弱さから、ワンペダルドライブまで、変化度も広い。

ボディの大きさと裏腹に驚くほど機敏

サスペンションは、ベースグレードではコイルスプリングに通常のダンパーというペア。だが、AMGライン以上で選べるリファインメント・パッケージを指定すれば、エアスプリングと、4.5度まで制御される後輪操舵システムが実装される。試乗車のように。

向きを変えるリアタイヤの効果で、ボディの大きさと裏腹に、身のこなしは驚くほど機敏。最新のBMW iX3ほどスポーティではないが、ヘアピンカーブも軽快に旋回してみせる。ボディロールは最小限に抑えつつ、乗り心地も犠牲になっていない。

メルセデス・ベンツGLC 400 4マティック・ウィズEQテクノロジー(英国仕様)
メルセデス・ベンツGLC 400 4マティック・ウィズEQテクノロジー(英国仕様)

ステアリングの感触は希薄ながら、クイック過ぎないレシオと適度な重み付けで、扱いやすい。限界が迫れば2.5t超えの車重を実感するとはいえ、グリップ力や姿勢制御へ不満を感じることは殆どないだろう。

エアスプリングは、路面の凹凸を巧妙に吸収。乗り心地も素晴らしい。加えて、通常のコイルスプリングでも洗練度は高い。荒れた路面などでは細かな揺れを伝えるものの、全体的には上級SUVへ相応しい快適性を担保している。

充電量90%で走れた距離は約600km

今回の試乗で走れた距離は、バッテリーの充電量が90%の状態でスタートし、様々な条件を交えて約600kmとなった。iX3はフル充電で約700kmだから、現実的な持久力はスペック上の数字ほど大きく違わないかもしれない。

ホイールは大径で駆動用バッテリーは軽くないが、高速道路でも1充電で480km程は狙えるはず。優しい乗り心地と相まって、長距離移動との親和性も高い。高速域では、若干風切り音が目立つけれど。

メルセデス・ベンツGLC 400 4マティック・ウィズEQテクノロジー(英国仕様)
メルセデス・ベンツGLC 400 4マティック・ウィズEQテクノロジー(英国仕様)

総じて、クルマの特長が最も発揮されるのは、コンフォート・モード。穏やかな操縦性で、GLCに相応しい快適性へ浸れる。自然と、気張らない運転スタイルも促される。

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    役職:副編集長
    AUTOCARの若手の副編集長で、大学卒業後、2018年にAUTOCARの一員となる。ウェブサイトの見出し作成や自動車メーカー経営陣へのインタビュー、新型車の試乗などと同様に、印刷所への入稿に頭を悩ませている。これまで運転した中で最高のクルマは、良心的な価格設定のダチア・ジョガー。ただ、今後の人生で1台しか乗れないとしたら、BMW M3ツーリングを選ぶ。
  • 執筆

    ジェームス・ディスデイル

    James Disdale

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

メルセデス・ベンツGLC 400 EQテクノロジーの前後関係

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