もう少しの磨き込みも求めたい

乗り心地は、ほかの部分ほど印象は良くはない。市街地ではサスペンションのダンピングが強すぎ、ツギハギの多い区間ではガタガタと振動が伝わることもあった。

高速道路では、頭が揺さぶらえるような場面も。頻繁ではないものの、あまり心地良いものではない。スタッドレスタイヤという影響も多少はあるだろう。

メルセデス・ベンツは、乗り心地の丁度いいポイントを逃したように思える。スポーツ・モードでは張りが強すぎ、コンフォート・モードでは緩すぎる。ペダルの踏みごたえも、少し軽く感じられた。もう少し機械的な精度を煮詰めてもいい。

メルセデス・ベンツの純EVの入り口を構成する、クロスオーバーのEQA。オプションを選べば、英国価格は4万5000ポンド（675万円）を越えてくる。

この価格は、鋭い走りのポールスター2や、広々とした車内と洗練されたフォルクスワーゲンID.4も選べる領域。EQAをすぐにオススメするのは、今の段階では難しいというのが本音。

GLAのゼロ・エミッション版ともいえるEQAのスペックは悪くないし、プレミアム市場やメルセデス・ベンツの既存オーナーの期待に叶うルックスも備わっている。だが、もう少しの磨き込みも求めたいところだ。

メルセデス・ベンツEQA 250 プレミアム・プラス（欧州仕様）のスペック

価格：4万495ポンド（607万円／英国政府補助金適用後）
全長：4463mm
全幅：1834mm
全高：1620mm
最高速度：180km/h
0-100km/h加速：8.9秒
航続距離：423km
CO2排出量：−
車両重量：2040kg
パワートレイン：非同期モーター
バッテリー：66.5kWhリチウムイオン
最高出力：189ps
最大トルク：38.2kg-m
ギアボックス：−

画像　メルセデス・ベンツEQA　GLAと競合の純EV小型クロスオーバーを比較　全138枚