【人気だけが理由ではない】日産ノート/キックス eパワー専用車になったワケ

公開 : 2021.05.15 05:45  更新 : 2021.10.22 10:07

コンパクトモデルにはノーマルエンジンも必要?

ノートやキックスがeパワー専用車になって価格を高く設定したら、本来であればマーチが売れ行きを伸ばして穴埋めをすべきだが、前述のとおり商品力が追い付かない。

そこでデイズとデイズルークスを積極的に販売して、日産の軽自動車比率が高まった。

日産マーチ
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ただしそうなると、ますます軽自動車の販売比率が拡大する。

ホンダも軽自動車比率が50%を上まわり、今では日本で新車として売られるクルマの40%近くが軽自動車になった。

この傾向が加速すると、軽自動車のさらなる増税を招き、古い軽自動車を日常的な移動のために使う高齢者などの生活を圧迫する。

税負担のことも考えると、もう少し小型車の販売に力を入れるべきだ。

日産の場合、マーチのフルモデルチェンジが難しいなら、ノートやキックスにノーマルエンジンを追加することも考えたい。

これから電動化の時代に入り、eパワーを重視する事情も理解できるが、コンパクトな車種にとって、割安な価格で商品を提供することも大切な使命だ。

記事に関わった人々

  • 渡辺陽一郎

    Yoichiro Watanabe

    1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年間務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向した。「読者の皆様にケガをさせない、損をさせないこと」を重視して、ユーザーの立場から、問題提起のある執筆を心掛けている。買い得グレードを見極める執筆も多く、吉野屋などに入った時も、どのセットメニューが割安か、無意識に計算してしまう。

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