ビジネスモデルを変える革命が進行中 フォード:モータースポーツ賞(後編) #AUTOCARアワード2026

公開 : 2026.07.07 17:10

レースに本腰を入れているフォード。現CEO自ら情熱を注ぎ、活動範囲を広げていますが、それは単なるマーケティング戦略にとどまりません。その熱心な姿勢から、AUTOCARアワードでモータースポーツ賞を受賞しました。

自由にお金を使えるわけではない

フォード・レーシングを率いるマーク・ラッシュブルック氏の上司たちは、こうしたモータースポーツ活動に大きな関心を寄せている。ジム・ファーリーCEOに加え、会長のビル・フォード氏や最高執行責任者のクマール・ガルホトラ氏も熱心なレースファンであり、フォード・レーシングのゼネラルマネージャーを務めるビルの息子、ウィル氏とも仕事をしている。

だからといって、ラッシュブルック氏に全権が与えられているわけではない。

セブリングを駆け抜けるフォード・マスタング
セブリングを駆け抜けるフォード・マスタング

「確かに条件は良いですが、決して無制限の権限が与えられているわけではありません。ジムは、わたし達が使う1ドル1ドルについて責任を求めてきます。単にコースに出るだけでなく、そこから学び、適切な人々に適切なストーリーを伝え、そして勝つためです」

これを聞いたファーリー氏は、「モータースポーツに自分のお金を浪費したこともあるアマチュアレーサーとして、わたしはかなり厳しい批評家です。レーサーではない人よりも要求が厳しい。どれほどお金を使う可能性があるか、そして勝つために何が必要かをよく知っているからです」と付け加えた。

ハイパーカーからオフロードまで幅広く

ラッシュブルック氏は冗談交じりに、「勝っているか負けているかを知るために、年次評価を待つ必要はありません」と語った。

彼は、ファーリー氏やガルホトラ氏とのグループチャットで、毎週末のレース結果を報告しているからだ。

セブリングを駆け抜けるフォード・マスタング
セブリングを駆け抜けるフォード・マスタング

「彼らはソーシャルメディアで結果を知るのではなく、リアルタイムで知りたがっているんです」

フォード・レーシングの活動は、大きく4つの分野に分かれている。米国のNASCARやオーストラリアのスーパーカーシリーズから、さまざまなカスタマーレースまでを網羅するマスタング、ストックカーイベントからダカール・ラリーまでをカバーするオフロード、『トランジット・スーパーバン』などのデモンストレーション車両、そしてレッドブルとのF1パートナーシップや今後予定されているLMDhハイパーカー・プログラムといった旗艦プロジェクトである。

大まかに言えば、フォードは下位カテゴリーのカスタマープログラムを支援し、カテゴリーが上がるにつれてメーカーとしてのサポートを強化している。ダカール、F1、ル・マンといった旗艦プロジェクトは、レッドブルやMスポーツといったパートナーと協力しつつ、社内で運営している。

ファーリー氏は、多くの競合他社のようにチームを買収するのではなく、レッドブルのパワートレイン開発を支援するという方針を、ビジネス志向のアプローチによるものだと説明している。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    役職:雑誌副編集長
    英国で毎週発行される印刷版の副編集長。自動車業界およびモータースポーツのジャーナリストとして20年以上の経験を持つ。2024年9月より現職に就き、業界の大物たちへのインタビューを定期的に行う一方、AUTOCARの特集記事や新セクションの指揮を執っている。特にモータースポーツに造詣が深く、クラブラリーからトップレベルの国際イベントまで、ありとあらゆるレースをカバーする。これまで運転した中で最高のクルマは、人生初の愛車でもあるプジョー206 1.4 GL。最近ではポルシェ・タイカンが印象に残った。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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