【広く有能な7シーターSUV】サンヨン・レクストンへ試乗 2.2Lディーゼル 小変更

公開 : 2021.06.27 08:25

優れた基本性能に充実した装備が与えられたレクストン。お隣韓国のサンヨンが生産する大型SUVを、英国編集部が評価しました。

7シーターのSUVがフェイスリフト

text:Felix Page(フェリックス・ペイジ)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
サンヨンの大型SUV、レクストンが大胆なフェイスリフトを受けた。クロームメッキが眩しい巨大なフロントグリルに、シャープなLEDヘッドライトを獲得し、見た目はかなりリフレッシュされた印象を受ける。

7シーターのSUVとして、より多くの存在感と高級感、強さと安全性、スタイルとスペースを獲得した、とサンヨンは主張する。言葉通りの内容だろうか。

サンヨン・レクストン・アルティメット(英国仕様)
サンヨン・レクストン・アルティメット(英国仕様)

見た目の内側、ドライブトレインで触れるべき部分は、20psのパワーアップを果たした2.2Lの4気筒ディーゼルエンジン。エンジンマウントやドアシールなどを改良し、クラスで最も低いノイズや振動レベルを実現したと自信を見せる。

トランスミッションは、メルセデス・ベンツから供給を受けていた従来の7速ATではなく、ヒュンダイ・トランシス社製の8速ATに置き換わった。軽量化と高効率が図れるという。トレーラーの揺れを抑制する機能も新しくなっている。

インテリアの変更点は小さめ。インフォテインメント用のデジタルモニターが標準装備となり、センターコンソールのデザインが見直された程度だ。

レクストンの英国でのトリムグレードは2種類。ベンチュラは3万7995ポンド(569万円)からで、アルティメットは4万665ポンド(609万円)から。今回は、上級な方の試乗となった。

セパレート構造のメリットとデメリット

アルティメットには、9.0インチへと大きくなるインフォテインメント用モニターに、プライバシーガラス、LEDの間接照明などが追加される。標準装備には不足ない。

ボディサイズは、英国ではSUVとして大型のカテゴリーに属する。全長は4850mm、全幅は1960mm、全高は1825mmもある。スーパーマーケットの駐車場などでは、間違いなく気を使うサイズだ。

サンヨン・レクストン・アルティメット(英国仕様)
サンヨン・レクストン・アルティメット(英国仕様)

しかし、見た目ほど運転しにくいわけでもない。グラスエリアは広く、ミラーも大きい。視界を補助するカメラ映像は鮮明で、低速域での不安を軽減してくれる。視点も高いから、路肩や対向車との位置感覚も掴みやすい。

反面、レクストンはフレームとボディが別体の、クラシカルなセパレート構造を採用している。クルマの堅牢さやオフロード性能という面では強みになるが、モノコック構造と比べると、オンロードでの走りには有利ではない。

衝撃には強い構造だから、速いスピードのまま速度抑制用のスピードバンプもクリアできる。でも車内に伝わる衝撃は大きく、次のスピードバンプは速度を落としたくなる。

舗装の古くなった高速道路でも、やや硬めのサスペンションとロードノイズの大きい肉厚なタイヤの組合わせで、安価なレンジローバーという感覚は得られない。ステアリングの反応は曖昧で、車高が高いから横風の影響も受けやすい。

そんな時は、車線逸脱警報システムが役立つ。実際にありがたい装備だ。

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