2024年版 「本格派」の高性能オフロード車 10選 道を選ばない欧州 “最強” SUV

公開 : 2024.06.02 18:05

タフな見た目のSUVが人気を集めているが、本格的なオフロード性能を持つクルマは多くない。悪路走破性、快適性、実用性、デザインなどさまざまな観点から特に優れた10台のオフロード車を紹介する。

本格派オフロード車

悪路走破性、舗装路での快適性、ドライバビリティ、デザイン、実用性などさまざまな観点から特に優れた欧州のオフロード車を10台紹介する。

近年、数多くのSUVモデルが発売されている。タフで力強いデザインも人気の理由の1つだが、基本的には街中や高速道路での使用に焦点を当てたものが多い。もし本格的なオフロード走行能力を求めるなら、見た目だけでなく中身も大切だ。

欧州で販売されるオフロード車から特に優れた10台を紹介。
欧州で販売されるオフロード車から特に優れた10台を紹介。

今回は、ヤギも二度見するような厳しい地形に挑むために設計されたクルマを取り上げたい。ランキング形式での紹介となるが、車種ごとにキャラクターが大きく異なり、オフロード性能を何よりも優先するものもあれば、舗装路での快適性も重視したオールラウンダーもある。

筆者(英国人)の住む英国では、アウトドアの趣味はもちろん、仕事としてオフロード性能を必要とする人もいる。そんな人たちのために、(筆者の好みも含みながら)素晴らしいオフロード車を厳選した。

1. ランドローバーディフェンダー

長所:本格的なオフロード走行能力、素晴らしい乗り心地
短所:大型かつ重量級、燃費の悪さが目立つ

これまでのランドローバー・ディフェンダーは、泥、砂地、岩場、河川、急勾配などどんな地形にも対応するオフロード車として名を上げてきた。しかし、現行世代では従来のラダーフレーム構造からモノコック構造に切り替えたことをはじめ、さまざまな理由からオリジナルの「精神的後継車」と見られることもある。

1. ランドローバー・ディフェンダー
1. ランドローバー・ディフェンダー

とはいえ、実際には求められる能力をほぼすべて備え、先代以上のこともできる。アプローチアングルとデパーチャーアングルは約40度、車高調整機能付きエアサスペンションによる地上高は291mmを誇る。トランスミッションモードの適切な切り替え、適度な推進力、わだちの中でのライン取りなど、ドライバーの負担を軽減する心遣いも実に好印象だ。

また、先代の四輪駆動システムはシンプルそのものだったが、現行型は洗練の極みに達している。ブランド独自のテレーン・レスポンス・システムにより、オフロード初心者でも難しい地形に挑戦できる。

ランドローバーは現在、複数のパワートレインを設定しているが、プラグインハイブリッド(PHEV)のP400eが唯一の4気筒モデルであり、ディーゼルはすべて直列6気筒となる。D300はトルクフルで燃費がよく、ドライバビリティと洗練性を兼ね備えており、他のモデルほど高価ではないのでイチオシだ。

もちろん、街中に暮らす人にとってはP400e(電気のみの航続距離は43km)も独自の魅力がある。

ボディタイプとしては、3ドアの90、5ドアの110、ロングボディの130と3種類があるが、130はリアオーバーハングが長く、デパーチャーアングルがわずかに損なわれる。欧州ではハードトップの商用車仕様が用意されている。

どのボディを選んでも基本的に巨体なので、狭いオフロードコースや林道には向いていない。しかし、能力には疑問の余地がなく、オフロードが苦手な人のために作られたクルマのようにも思える。

そのうえで舗装路での乗り心地やハンドリングも優れており、ライバルに大きな差をつけている。かつて広告に「The best 4×4 by far(圧倒的に優れた4WD)」という謳い文句が踊ったディフェンダーは、まったく新しい命を吹き込まれたのだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・ディスデイル

    James Disdale

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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