アウトバック、エグザンティア、ベルサイユ… 車名が地名になっているクルマ 26選(後編) 「M」から「Z」まで

公開 : 2025.01.18 18:25

クルマには、地図上の地名からインスピレーションを得た車名が与えられることが多い。今回はそんな車名だけでアルファベット表26文字(A-Z)を完成させることができるかどうか、試してみた。

M:アルファ・ロメオ・ミト

(翻訳者注:この記事は後編です。アルファベットの「L」以前の車名については前編で紹介しています)

イタリア政府には内緒だが、実はアルファ・ロメオはすでにミラノにちなんだ車名を付けている。ミト(MiTo)はイタリアの2つの都市、ミラノとトリノに敬意を表した造語で、それぞれデザインされた都市と生産された都市を指す。ちなみに、アルファ・ロメオは最初、ミトではなく「ジュニア」という名称にする予定だった。運命の歯車というのは奇妙なものだ……。

M:アルファ・ロメオ・ミト
M:アルファ・ロメオ・ミト

N:クライスラー・ニューヨーカー

ウォルター・クライスラーは1930年、当時としては世界一の高さを誇るクライスラービルをニューヨークに建てた。それゆえ、最も長く生産されたモデルの1つが、1939年に発売されたニューヨーカー(New Yorker)であるのは当然のことだろう。1996年の生産終了時には、米国車の中で最も歴史の長いモデルとなっていた。

N:クライスラー・ニューヨーカー
N:クライスラー・ニューヨーカー

O:スバル・アウトバック

当初はレガシィの派生モデルとして販売されていたアウトバック(Outback)。1980年代にスバルの米国部門が考案したもので、いかにも頑丈そうなクルマであることをアピールしようとしていた。アウトバックとは、オーストラリアの広大な砂漠地帯のことである。

O:スバル・アウトバック
O:スバル・アウトバック

P:フェラーリポルトフィーノ

フェラーリの命名法はやや非論理的なところがあり、納得のいく説明が難しい。同社の2+2グランドツアラーのラインナップにおいて、イタリア北西部リヴィエラの小さなコミューンにちなんで名付けられたポルトフィーノ(Portofino)が、カリフォルニアに先行し、ローマに続くのはなぜだろうか? なお、ポルトフィーノは小さな町ではあるが、欧州の貴族たちのお気に入りの観光地となっており、彼らは高い割合でフェラーリの購入者であると思われる。

P:フェラーリ・ポルトフィーノ
P:フェラーリ・ポルトフィーノ

Q:日産キャシュカイ

英国で生産されている欧州向けの人気クロスオーバー車。日産の収益に与える影響の大きさから、冗談めかして「キャッシュ・カウ(cash cow)」と発音されるかもしれないが、キャシュカイ(Qashqai)という車名は、イラン南部と中央部に住むキャシュカイ族に由来している。

……そして、キャシュカイ族は伝統的に遊牧民族であるが、イラン周辺をグーグルマップで探せば、ホセナバード・キャシュカイ(Hoseynabad-e Qashqai)という名前の町を見つけることができる。つながりが弱いって? 確かにそうかもしれないけれど、ドイツにクワトロという名前の町があることにするよりはいいだろう。

Q:日産キャシュカイ
Q:日産キャシュカイ

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事