【ドイツの競合に並べるか】DS 9 Eテンス225 PHEVへ試乗 個性+洗練の旗振り役 後編

公開 : 2021.06.17 08:25  更新 : 2022.04.23 12:07

ドイツ製ライバルを超える洗練度

穏やかに加速すれば、内燃エンジンが出しゃばるように推進力を加算することもない。PHEVの一部のライバルのように。

筆者は、パワートレインに3段階の特徴を感じた。一般的な速度で運転している時の、ほぼ無音の状態。少し勢いを増すと、やや残念な4気筒エンジンのノイズが響いてくる状態。さらに気張ると、遠くから心地よい唸りが聞こえてくる状態。

印象深かった強みが、洗練度。DS 9には厚み3.6mmもある防音ガラスが用いられており、車外のノイズをほとんど車内へ伝えない。

メカニズムが発する音は充分に低いが、舗装が荒れた路面を通過しても、ロードノイズは驚くほどに低い。ドイツ製のライバルにはない、DS 9のストロングポイントといって良いだろう。

少しの時間運転すれば、DS 9がPHEVとしてあるべき姿の典型だということが見えてくる。経済的で、市街地では快適で上質に、環境負荷を抑えて走れる。加えて、英国を横断するような長距離性能も兼ね備えている。

DSブランドは、英国では難しい課題に立ち向かっている。BMWと同列で、顧客に選んでもらいたいと考えている。その内の80%は、企業ユーザーとなる。

少なくともDS 9には、2つの武器があると思う。1つは、従来と同じモデルに乗り継ぐことへ、退屈さを感じる人に対する訴求力。もう1つは、9自体が優れたクルマだという事実だ。

DS 9 Eテンス225 PHEV リヴォリ+(英国仕様)のスペック

英国価格:4万9200ポンド(757万円)
全長:4934mm
全幅:1932mm
全高:1460mm
最高速度:239km/h
0-100km/h加速:8.3秒
燃費:90.9km/L
CO2排出量:33g/km
車両重量:−
パワートレイン:直列4気筒1598ccターボチャージャー電気モーター
使用燃料:ガソリン
バッテリー:11.9kWh
最高出力:180ps(ガソリンエンジン)+111ps(電気モーター)
最大トルク:−
ギアボックス:8速オートマティック

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