【ドイツの競合に並べるか】DS 9 Eテンス225 PHEVへ試乗 個性+洗練の旗振り役 後編

公開 : 2021.06.17 08:25  更新 : 2021.07.27 14:50

フランス・シトロエンから独立し、勢力拡大を図る上級ブランドがDS。フラッグシップ・サルーン、9のPHEV版を英国編集部が評価しました。

古典主義と前衛主義が融合したデザイン

text:Steve Cropley(スティーブ・クロップリー)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

  
新しいDS 9へ実際に近づいてみると、古典主義と前衛主義とが絶妙なバランスで融合していることがわかる。緩やかにカーブを描く、流線型のフォルムはアウディのセダンにも似ている。

複雑に彫刻が施されたフロントグリルやシャープなヘッドライト、ガラスの切子細工のような模様のテールライトなど、細部に至るまで質感は非常に高い。エレガントさを感じるスタイリングと良く調和している。

DS 9 Eテンス225 PHEV リヴォリ+(英国仕様)
DS 9 Eテンス225 PHEV リヴォリ+(英国仕様)

興味深いのがウインカー。リアガラス左右のリアピラー部分に内蔵されている。ホイールは19インチ。リヴォリ+とパフォーマンス・ライン+とで、異なるデザインが与えられるという。

ドアを開くと、巧妙なデザインが施されたスイッチ類やディティールで満たされた、インテリアが広がる。作り込みは見事だと思うが、筆者の目には落ち着きに欠け、さほど心地よくは感じられなかった。あくまでも好みの問題だとは思う。

DSの開発者やデザイナーが、すべての人を喜ばせようとは考えていないことを示すインテリアだともいえる。同じ日に試乗した評論家の間でも、肯定的な意見からそうでない意見まで、様々な印象を持った様子だった。 

メーターパネルや操作系のレイアウトは優れており、位置関係も理解しやすい。車内空間は広々としており、前後の席に関係なく頭上空間にもゆとりがある。運転席は座り心地が良く、ランバーサポートの位置は調整可能。マッサージ機能も付いていた。

快適性重視の乗り心地と走りの質感

DS 9の0-100km/h加速は8.3秒。駆動系のドライブモードには、エコノミーとスポーツ、エレクトリック、ハイブリッドの4種類が用意されている。

スポーツ・モードではアクセルレスポンスが鋭くなり、乗り心地も引き締まる。しかし変化の度合いはライバルモデルより小さく、少しの時間乗り比べてみないと、明確な違いを体感できないかもしれない。

DS 9 Eテンス225 PHEV リヴォリ+(欧州仕様)
DS 9 Eテンス225 PHEV リヴォリ+(欧州仕様)

筆者の好みは、サスペンションをコンフォートにした状態。英国の道では珍しくない舗装が剥がれた穴を通過しても、しなやかに衝撃を吸収してくれた。かなり大きな入力では、ホイールが少し暴れるような印象もあった。

路面をカメラで捉えダンパーを可変させるDSアクティブ・スキャン機能は、少し波長の長いうねりなどで、優れた姿勢制御を実現しているように感じた。柔らかな足まわりのクルマ特有の揺れが、抑えられているようだった。

ステアリングホイールの操舵感は、レシオや重み付けが良好。直進性や正確性では、BMWには及んでいない。

ブレーキペダルは、強く踏み込んでも柔らかな感覚が残る。それでも制動力は強く、効きの調整もしやすい。滑らかにDS 9を停止させることができる。

パワートレイン全体のモード設定も、良く統合が取れていると感じた。Eセグメントのサルーンとして、快適性に重きをおいて開発されている。それを前提に運転すれば、電気モーターが滑らかに発進させる仕草を楽しむことができるはず。

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