【SUVのグランドツアラー】ポルシェ・カイエン・ターボGTへ試乗 ニュルは7分38秒9

公開 : 2021.08.08 08:25

カイエン・クーペをベースに、ポルシェとしてグランドツアラーらしさを磨き込んだGT。完成度の高さを、英国編集部は評価します。

カイエン・ターボから90psと7.1kg-mの増強

text:Matt Prior(マット・プライヤー)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
ポルシェでは、特にオンロードでの走りにフォーカスされたグレードへ与えられる、GTという2文字。SUVに与えるなら、かなり思い切ったアップデートが必要になりそうだ。本来は、オフロードを走ることを前提にしたタイプのクルマなのだから。

とはいえ、近年のSUVはオンロードも得意分野。このカイエン・ターボGTのように、ニュルブルクリンク・ノルドシュライフェを7分38秒9で走る強者すらいる。今回ご紹介するSUVは、想像以上に速い。

ポルシェ・カイエン・ターボGT(英国仕様)
ポルシェ・カイエン・ターボGT(英国仕様)

ドイツ・ヴァイサッハを拠点とするポルシェの開発センターは、どんな手術を加えたのだろうか。確認してみると、かなり大々的に手が加えられている。

見た目では、バンパーやスポイラーなど、空力性能に関わる部分が新しい。ホイールはインチアップし、22インチに。インテリアには、天井の内張りも含めてアルカンターラが所狭しと張られている。

メーターパネルの中央に据えられるレブカウンターの針は、黄色に染められた。車内にはレーシーな雰囲気が漂う。

エンジンは4.0LのV型8気筒ツインターボ・ガソリン。これまでのカイエン・ターボから90psと7.1kg-mが増強され、640psと86.5kg-mを獲得している。

専用の内部改良に加えて、ブースト圧の上昇、流量の多いインジェクター、チタンエグゾーストなどが相乗した効果だ。加えて、シャシーに加えられたチューニングが今回のカナメとなる。

サスを引き締め、高度なシャシー技術も満載

カイエン・ターボより車高は17mm低く、GTSと比べても7mm低い。3チャンバーのエアサスペンションは、ノーマル・モードで10%、スポーツ・モードで15%、ターボから引き締められている。

アクティブ・ボディロール制御に、ブレーキによるトルクベクタリング機能、セラミック・ブレーキディスクと後輪操舵が標準装備される。グリップ性能を高めるため、フロントタイヤのトレッドは広げられ、ネガティブキャンバーが強められた。

ポルシェ・カイエン・ターボGT(英国仕様)
ポルシェ・カイエン・ターボGT(英国仕様)

リアのダンパーマウントは剛性が高くなり、ハンドリングの精度を向上させている。これらが組み合わされば、相当に積極的なロードカーに仕上がりそうだ。

実際は、そこまで激しくはない。市街地など、優しくアクセルペダルを踏んで運転している限り、エンジンは抑制され唸り声も小さい。ATはトルクコンバータータイプで、デュアルクラッチと違って、とても上品に変速をこなしてくれる。

1つ気になった点は、アイドリングストップ機能が、完全にカイエンが停止する前にエンジンを止めること。ブレーキペダルの踏みごたえが硬くなり、ステアリングホイールも重くなる。滑らかな運転の妨げになっていると感じた。

同等クラスのライバルと比較して風切り音は控えめだが、ロードノイズは大きい。フロントが285/35、リアが315/30のピレリPゼロ・コルサと、剛性の高いブッシュ類が影響しているのだろう。

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