【詳細データテスト】アルピナB8グランクーペ 文句なしの速さ 洗練の乗り味 やんちゃさは足りない

公開 : 2021.10.02 20:25

内装 ★★★★★★★★★☆

B8のインテリアは、アルピナ独自の装飾などを別にすれば、装備が充実した仕様の8シリーズ・グランクーペにかなり近い。

デジタルメーターには、アルピナのイメージカラーが盛り込まれている。ステアリングホイールは贅沢にラヴァリナレザーで覆われ、ステッチはパッドへ埋もれるように入れられているので、新品でも握った感触がナチュラルで心地いい。

寝かされたフロントウインドウとAピラー、流れるようなインテリアのデザインなど、GTカーならではの世界観を満喫できるキャビン。レザーの質感や色使いが、さらに贅沢さを高めている。
寝かされたフロントウインドウとAピラー、流れるようなインテリアのデザインなど、GTカーならではの世界観を満喫できるキャビン。レザーの質感や色使いが、さらに贅沢さを高めている。    MAX EDLESTON

ヘッドレストやマットなど、随所にあしらわれるのは、クランクシャフトとキャブレターをモチーフにしたアルピナの紋章だ。トランスミッショントンネルには、シリアルナンバーが刻まれたプレートが取り付けられている。

キャビンはまた、B8グランクーペと、B5ビターボの大きな差別化ポイントでもある。フロントウインドウは明らかに短く、アルカンターラ張りのAピラーは急角度で寝かされ、センターコンソールの流れるような造形はセダンよりGTカー的な性質であることを示している。

テスト車の2トーン仕上げの革内装は、この上なくソフトなオプションのメリノレザーが、ダッシュボード全体をも覆っている。より特別な空間を演出する仕立てだが、1万4400ポンド(約202万円)を追加すれば、すべてラヴァリナレザーに変更して、よりスペシャルな雰囲気にひたることも可能だ。

ここまで贅沢なムードは、B3やB5ビターボといった、アルピナの中でもよりポピュラーなモデルではまず得られない。B7やB8グランクーペのようなフラッグシップならではの道楽、といってもいい。

マテリアルのリッチな質感は、後席に移っても薄らぐことはない。8シリーズ・グランクーペがそうであるように、B8でも背の高い大人が十分寛げる広さもある。分割パノラマルーフを装着したとしても、ヘッドルームに不足はない。

しかしながら、さすがにコンソールが足元に陣取る中央席では妥協を強いられるので、4シーター+補助席の5人乗りだと割り切るのが無難だ。左右席はヘッドレスト一体型の独立シートのような形状だが、トランクルーム内のレバーを操作して前倒しすることができる。

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